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JBC2025スペシャルPART4 船橋「JBCクラシック」全頭解説(17:20発走)

日本競馬至高の1日を前にして、日本競馬に大きな歓喜がもたらされた。日本時間2日に行われた米ブリーダーズカップクラシックで、日本から参戦したフォーエバーヤングが優勝したのだ。今から4年前、同ディスタフでマルシュロレーヌが制した際に“日本競馬史上最高の偉業”と評したが、あの時にこれほど早くアメリカ競馬の頂点となる舞台を制することを想像した人は、果たしていただろうか。ただそれを成し遂げた根本に、国内ダート競馬の整備と発展があったからに他ならない。そのトップオブトップであるJBCクラシックには、アメリカの熱狂に負けない戦いを期待したいものである。

<お知らせ>

JBC競走の戦評記事は、統一GⅠ3競走は1週間以内を目処に掲載し、JBC2歳優駿は全頭解説記事のコメント欄を用いて行う予定です。


船橋競馬11レース「第25回 JBCクラシック」

(古馬・JpnⅠ・1800m)

JBCクラシックの基準距離は2000m。持ち回り開催故に各競馬場の構造上、距離に揺らぎが出るのは仕方ないが、船橋1800mはこの競走としては最も短い距離が舞台になる。その影響もあるのか、今年はマイルチャンピオンシップ南部杯から参戦する馬が多く、またマイル以下を主戦場とする馬も参戦してきた。船橋開催ならではのメンバーになったというのは言い過ぎかもしれないが、より興味を増したことだけは間違いないと思う。

<全頭解説>

(1)番 グランデマーレ(大井)

中央から転入して約1年。18回走って入着はなく、シンガリ負けは10回を数える。フルゲート割れであれば出走枠を埋めるためとも言えるけれど、今回はこの馬に押し出された馬がいた可能性がある。この出走はその問題提起につながる、大きな意味があると考えている。

(2)番 メイショウハリオ(中央)

川崎記念で復活を告げる統一GⅠ4勝目を手に入れたが、帝王賞で輸送中のアクシデントに見舞われ、生死の境をさまよった。そこから競馬場に戻ってくるまでに立て直した関係者には敬意を表するが、戦える状態になっているかは正直未知数。当日の気配を見るまで、取捨の判断はすべきではないだろう。

(3)番 ライトウォーリア(川崎)

久々に逃げた大井記念で逃げ切り勝ちを収め、改めて逃げがベストであることを示した。ただ中央勢相手になると、昨年の川崎記念を逃げ切った実績から、楽に逃がしてくれない。前走日本テレビ盃はそれを象徴する形で失速した1戦で、その直後でも他馬のマークは緩くならない。さりとて控える競馬では、勝つまでのパンチ力はなく・・・。

(4)番 アラジンバローズ(兵庫県)

昨年サマーチャンピオンを制してから短距離路線を歩んでいたが、再び中長距離路線に戻った初戦の前走鳥栖大賞を圧勝した。しかし路線変更前、昨年のマーキュリーカップで勝ち馬から2.2秒差といわれると、更に相手が強いこの舞台は厳しく映る。短距離路線の一線級にもまれたことで、どれだけその差を埋めているのか。

(5)番 サントノーレ(大井)

圧巻の逃げ切り勝ちを収めた前走フリオーソレジェンドカップでマークした1分51秒1は、日本テレビ盃のフォーエバーヤング1.1秒上回る。この1戦や昨年の京浜盃など、7勝中5勝が2着に5馬身以上つけたように、勝つときは他を圧倒できるのがこの馬の強み。その強みを発揮するには、強気な攻めが求められる気がしている。

(6)番 ホウオウトゥルース(船橋)

※馬体故障のため競走除外

(7)番 シャマル(中央)

3年前のチャンピオンズC5着以来2度目となる、1800mへの参戦。かしわ記念連覇を果たした船橋コースで行われることも後押しした気はするが、前走マイルチャンピオンシップ南部杯6着の内容は、正直良くなかった。また主戦の川須栄彦騎手が間に合わず、初コンビとなる松山弘平騎手にかかる比重が極めて高いことも、不安材料だ。

(8)番 ミックファイア(大井)

古馬相手になってから全て統一GⅠを使っているとはいえ、見せ場のない競馬が続く。その中でも差のない競馬ができたマイル戦でも、前走マイルチャンピオンシップ南部杯で7着に終わり、さらに厳しくなってきた。今回は更に距離が延びており、一変するイメージが沸かないのが現実だ。

(9)番 ウィルソンテソーロ(中央)

それまでのシルバーコレクターぶりが嘘のような、マイルチャンピオンシップ南部杯での圧勝劇。終わってみれば戦ってきた相手が違っていたという走りで、力の違いを見せつけた格好だ。舞台が変わり、前走いなかった実力馬も加わっているが、昨年佐賀で手にした王者の椅子を、易々と渡すことはないだろう。

(10)番 ギガキング(船橋)

重賞7勝中5勝が船橋コース、うち3勝は今回と同じ1800mで手にしている船橋マイスター。ただしその威光は中央勢相手には通用しておらず、統一グレードは前走日本テレビ盃などでマークした5着が最高。しかもこの夏はその最も結果を残す舞台で、サントノーレ相手に2度続けて完敗。目標は1頭でも多く負かすことに止まる気がする。

(11)番 サンライズジパング(中央)

4着に終わったマイルチャンピオンシップ南部杯は、序盤から追走に汲々とし、スピード不足を露呈して終わった。それだけに1ハロンの距離延長はプラスといえるが、これまでの統一グレード3勝中2勝が2000m以上で、まだ足りない気もする。これが統一GⅠ6戦目になるのも気になる材料で、それらの不安を払拭する走りはできるのか。

(12)番 キングズソード(中央)

昨年の帝王賞以来となった前走日本テレビ盃は4着も、道中フォーエバーヤングよりもいい手応えで運ぶ場面もあり、臨戦過程を考えれば上々の走りだった。しかし左回りはこれまで未勝利どころか、馬券圏内に入ったこともない。自身の状態面以上に、その課題を克服できるかが好走のカギを握っている。

(13)番 ミッキーファイト(中央)

前走帝王賞は、早目先頭から押し切る競馬で統一GⅠ初制覇。昨年のジャパンダートクラシックでフォーエバーヤングに迫った実力馬が、それにふさわしい称号を手に入れた。それ以来の休み明けで状態面は微妙だが、不安があればここに名を連ねないはず。条件不問で結果を出してきただけに、初の船橋コースも関係ないだろう。

(14)番 ウインリブルマン(大井)

芝専門だった中央時代は準OP止まりで、1度だけ使ったダート戦も大差の惨敗。それでは転入後、2戦続けて勝ち馬から大きく離されてしまうのも仕方ないだろう。更に相手が強くなり、見せ場を作る可能性すらないと言わざるを得ない。

(詳細な出走表は地方競馬全国協会のオフィシャルサイト等で確認してください)


Commented by hirota-nobuki at 2025-11-06 09:20
JBCクラシック結果

1着 (13)番 ミッキーファイト(1番人気)
2着 (2)番 メイショウハリオ(7番人気)
3着 (5)番 サントノーレ(3番人気)

今年のJBCで唯一単勝1倍台の支持を受けたミッキーファイトが、4角で抜け出して帝王賞に続く統一GⅠ連勝。偉業を成し遂げた同世代のフォーエバーヤングを追いかけるかのように、世界を目指すことになるだろうし、この両雄の対決がどこかで見られることが期待される。しかしこの舞台で存在感を放ったのはこの馬だけでないということを、戦評記事では記していくつもりです。
by hirota-nobuki | 2025-11-02 22:30 | 地方競馬 | Comments(1)

地方競馬・ダート競馬の発展を願ってやまない博田伸樹(ヒロタ・ノブキ)です。この場を通じて地方競馬・ダート競馬により興味を持つ人が1人でも増えてほしいと願っています。 twitter:@HirotaNobuki


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