JBCレディスクラシック概況-直前になって方針変更続々。史上最高のメンバー集結なるか
2025年 10月 15日
毎年“Road to JBC”各競走が終了したタイミングで、統一GⅠとして実施されるJBC各競走の展望を行っているが、今年もJBCの発走順に沿って紹介していきます。ただし今回(特に中央所属馬に関して)は、選考や出走意向の部分に焦点を絞る形で紹介していく予定です。
ここではJBCレディスクラシックを取り上げますが“Road to JBC”として実施されたマリーンカップおよびレディスプレリュードの詳しい振り返りは、各レース前に掲載した見どころの記事へのコメントを参照ください。
<中央勢の動向-初ダート馬の優先出走権奪取が、選考に波乱を生むのか>
15年ぶりに船橋開催となるJBC。当時は中央所属馬の出走枠は5頭だったが、今回は6頭となるはず。それを前提として話を進めようと思っている。
まず中央所属馬だが、レディスプレリュードで初ダートだったビヨンドザヴァレーが制し、優先出走権を獲得した。実績から勝たない限り選出される可能性のなかった馬が手にしたことで、既成勢力から何かはじき出される可能性あった。ただし優先出走権がかかっていたもう1競走のマリーンCを地方所属馬が勝っていたため、ある意味“行ってこい”。選考に波乱が生まれる可能性は低い気がしている。
その既成勢力だが、レディスプレリュード出走組では、2着だったテンカジョウと9着で前年覇者のアンモシエラ。ブリーダーズゴールドCから本番直行を志向するのは、勝ったライオットガールに7着だったグランブリッジ。そして3着だったオーサムリザルトも米ブリーダーズカップディスタフ遠征の予定を変え、ここに参戦する意向を表明した。この馬がいないという前提で考えていたライバルにとっても影響が大きく、出走となればレースの勢力図は大きく変化するはずだ。
ここまでで6頭になるが、ではこの序列を崩して選定される可能性がある馬はいるのか。1頭はブリーダーズゴールドCで2着だったダブルハートボンドで、もう1頭は関東オークスを制してマリーンCでも2着だったメモリアカフェあたりか。しかし既成勢力として紹介した各馬は、いずれも複数の統一グレードを制している。詳細に計算しているわけではないけれど、回避馬が出た時の繰り上がりを待つ形になると思われる。
<地方勢の動向-フェブランシェが海外遠征を選択する中、プラウドフレールの参戦はあるのか>
ここでは地方勢の動向をまとめるが、スパーキングレディーCを制したフェブランシェが、レディスプレリュード4着を受け、米ブリーダーズカップフィリー&メアスプリント(ダート7ハロン)に向かうことを表明した。地方のエース格が参戦しないことになったのは少々寂しいが、馬の適性を見ての判断でもあるので尊重したいと思う。
そうなると俄然気になるのは、マリーンCを逃げ切って優先出走権を手にしたプラウドフレールの動向だ。レース直後にはJBCではなく地方馬同士のロジータ記念に向かう意向を示しており、私自身もその判断に対して厳しい言葉をかけさせてもらった。ただここに来て、JBC参戦に舵を切ったという情報にも触れ始めている。もし出走することになれば、地方勢の大将格を担うだけでなく、レースのカギを握る存在にもなる。地元開催を盛り上げるためにも、是非とも参戦してほしいものである。
これ以外となると、南関東勢はレディスプレリュードで5着のベルクラシアスは、左回りに懸念があるなら大井に専念する可能性が高い。他のレディスプレリュード出走組は、そのまま本番に向かう馬はいると思うが、そこで期待をかけるだけの走りは厳しいように映る。
南関東以外となると、名古屋移籍後16戦12勝で秋桜賞を制したプリメイラに、兵庫サマークイーン賞を含め園田移籍後9戦8勝のヴィーリヤという楽しみな存在がいる。しかし前者は16日に地元のゴールド争覇に出走。また後者は24日に地元で行われる園田クイーンC出走が見込まれ、JBC参戦はまず見込めないだろう。
そんな中で参戦を期待したくなるのは、ホッカイドウ競馬の3歳馬ゼロアワーだ。南関東移籍は良い結果が出なかったが、戻ってから牝馬重賞を2勝。既に地元の牝馬限定重賞は残されていないため、参戦に向けたハードルが低い。プラウドフレールが中央勢相手に勝てるのなら、この馬だってチャンスはあるはず。動向に注目したいと思っている。
