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浦和「さきたま杯」見どころ(2025年6月25日 18:50発走)

昨年さきたま杯の見どころを掲載した際に、浦和競馬場1400mで14頭立ての模擬レースが実施されたと伝えた。早ければ今年のさきたま杯がフルゲート14頭で実施される可能性も示唆したが、その後なかなか進展がなく、今年3月になってようやく一部競走でフルゲート13頭立てが始まったのが現状だ。さきたま杯が14頭立てで行われるようになるためには、地元戦で14頭立てを日常的に行った上で、中央勢との条件交流競走と14頭立てで行う手順を踏みたいはず。そう考えると、まだ数年はかかりそうである。

浦和競馬11レース「第29回 さきたま杯」(古馬・JpnⅠ・1400m)

統一GⅠに昇格して初年度だった昨年は、3頭出走した統一GⅠホースが3着までを占め、4着タガノビューティーは秋にJBCスプリントを制覇。実績馬が力通りの走りを見せたことで、統一GⅠの格にふさわしい戦いになったといえたと思う。前年覇者のレモンポップが引退した今年も統一GⅠ優勝馬が3頭名を連ねており、これだけの質が毎年揃うのであれば、統一GⅠにふさわしい舞台になっていきそうである。

最大の注目は、今年かしわ記念連覇を飾ったシャマル。徹底先行のスタイルで昨年再ブレイクを果たしたが、前走のかしわ記念は2番手から抜け出す味のある競馬で抜け出し、更なる充実ぶりを示している。ただこのレースは過去3年、3着→競走中止→3着と結果が出ていない。オーバルスプリント勝ちがあるのでコース適性はあるのだが、その相性の悪さを乗り越えられるかが、勝利に向けた大きなポイントである。

そのかしわ記念で1番人気になりながら、3着に終わったのがコスタノヴァフェブラリーステークスを含む6戦全勝という東京コース専門馬という印象を与える敗戦で、しかも地方で行われたダート統一グレードは2戦とも連対を外している現実も。船橋より更に小回りとなる浦和コースになる今回、舞台装置はさらに厳しくなっているだけに、どう戦うかはかえって見物。巻き返すことはできるだろうか。

もう1頭の統一GⅠホルダーであるタガノビューティーは、昨年4着。ラストで先行馬がバタバタになるおあつらえ向きの展開で、差し届かなかったのは力負け。その当時の1-2着馬が不在なら前進があっていいが、昨秋にJBCスプリントを制して以降の走りに冴えがなく、2年連続2着だったかしわ記念も7着。それが衰えだとすれば、ここも厳しい戦いになるだろう。

むしろ楽しみなのは、ハイレベルとされる4歳世代のチカッパだろう。レースセンスの巧みさを武器に統一グレード2勝に加え、JBCスプリントも2着。今回は海外遠征帰りで状態面は気になるものの、体制が整っていれば世代交代できるだけの力はある。当日の気配には注目したいものだ。

もう1頭中央から参戦するエンペラーワケアは、昨年根岸ステークスを制した時にはこの路線の主役級に登り詰めるとも期待された存在。今年に入りひと息のレースが続き、やや株を下げた印象も、素質では負けていない。2度目の地方の馬場を克服すれば、侮れないだろう。

対する地方勢は統一グレードホルダーこそ不在だが、興味深いメンバーが揃った。中では地元前哨戦だったプラチナCを制したティントレットは、昨年の北海道スプリントCで大きくスタートで出遅れながらチカッパの3着と、世代トップクラスの地力を秘める。スタートが決まればコース経験を武器に、中央勢に一泡吹かせることも十分可能なはずだ。

またオグリキャップ記念を制したムエックスは、マイル戦線の新エース候補から、短距離戦線を牽引する存在として更に評価を高めたといえよう。昨秋以降の戦ってきた相手と結果を考えれば、地方勢の大将格は間違いなくこの馬。初の統一グレード参戦になるが、楽しみしかない。

地元浦和勢ではアウストロに期待がかかる。昨年末のゴールドカップ制覇を含め、浦和13戦8勝の実績は魅力。前走オグリキャップ記念こそ2着に終わったが、コース巧者の台頭が珍しくない1戦だけに、チャンスは十分にあるはずだ。

このように楽しみなメンバーが揃ったが、やや残念なのは25日の浦和競馬場は、ほぼ1日雨の予報が出ていること。脚抜きのいい高速馬場になる可能性は十分あり、その馬場を味方につけた馬が勝利に近づく可能性が高い。実際の降水量なども加味しつつ、慎重に馬場傾向を探りたいものである。

(詳細な出走表は地方競馬全国協会のオフィシャルサイト等で確認してください)


Commented by hirota-nobuki at 2025-07-01 22:18
さきたま杯結果

1着 (2)番 シャマル(1番人気)
2着 (5)番 ムエックス(7番人気)
3着 (1)番 エンペラーワケア(3番人気)

シャマル・・・途中7・8レースが取りやめになる程の豪雨により、(翌日以降も含め)レコード乱発の高速馬場に。それだけにスタートの重要度が高まったが、好スタートから気合をつけてハナを主張。すると前半3ハロン34.9秒-同5ハロン58.1秒のラップで絡んできた馬を振るい落とし、最後は2着に5馬身差をつける圧勝劇を演じた。元々道悪馬場を得意としていた上に、徹底先行型不在の組み合わせなら、ハナを奪えた時点で勝負あったに近かった1戦。現状マイル前後の路線に絶対的な存在がいないだけに、7歳といえども、更にタイトルを積み重ねる可能性は十分あると思う。
なお1分23秒2の勝ちタイムは、26年前のこのレースで記録したコースレコードを0.6秒破るもの。当時もレース直前から降り出した豪雨による高速馬場がもたらしたもので、同様の馬場になったことが更新の背景にある。
Commented by hirota-nobuki at 2025-07-01 22:21
ムエックス・・・先行集団から離れた第2グループの先頭にいたのがこの馬。流れに乗った上で最後まで脚色が衰えず、粘るティントレットをゴール前で交わした。勝ち馬には完敗だったけれど、現状における南関東マイル戦線のトップホースとしての力は十分示した。当面は統一グレードタイトルが目標になるだろうが、秋に同じ舞台で行われるオーバルスプリントは大きなチャンスかもしれない。
エンペラーワケア・・・コーナーの度に前から離されてしまい、明かに小回りコースに手こずった。最後大外から猛然と追い込み、力がある所は示したけれど、舞台を選ぶ馬であることを示す走りだったといえそうだ。
Commented by hirota-nobuki at 2025-07-01 22:22
ティントレット(4着)・・・スタートを決めてシャマルに絡んでいく積極的な競馬。最後シャマルに離されてからも良く粘っており、この路線で戦える目処が立った、収穫の多い1戦だったと思う。
チカッパ(7着)・・・道中はムエックスと同じ位置にいたが、最後までそのまま。持ち前のレースセンスの良さが発揮されない内容から、海外遠征の反動があったかもしれない。
コスタノヴァ(11着)・・・ゲート内で膠着して大きく出遅れ、全くレースにならなかった。
by hirota-nobuki | 2025-06-25 00:00 | 地方競馬 | Comments(3)

地方競馬・ダート競馬の発展を願ってやまない博田伸樹(ヒロタ・ノブキ)です。この場を通じて地方競馬・ダート競馬により興味を持つ人が1人でも増えてほしいと願っています。 twitter:@HirotaNobuki


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