川崎「川崎記念」見どころ(2025年4月9日 20:10発走)
2025年 04月 09日
年明けから記事作成にかかわる時間を取ることが難しくなり、普段であればこの時期には掲載している記事を掲載できていないことは、申し訳なく思っております。ツイッター上でもダート統一グレードの見どころを触れることしかできなくなっておりますが、地方主催のダート統一GⅠだけでも、見どころもしくは全頭解説の記事をブログに掲載していけるように、対応していきます。
このブログを楽しみにされている皆様には申し訳ございませんが、ご理解いただきたく存じます。
川崎競馬11レース「第74回 川崎記念」(古馬・JpnⅠ・2100m)
交流競走がほとんどなかった時代から地方全国交流として行われていたこの競走は、中央勢に門戸が開放されてから30回目の節目を迎えた。その最初となった1996年当時、現2号スタンドは改築工事中で、今はなき3号スタンド(現マーケットスクエア川崎イースト所在地)から、最後独走となったホクトベガの雄姿を見たことを記憶している。競馬場から当時の面影は大分少なくなっているが、感動という名の年輪はこれからも競馬場に刻み続けるはずである。
まず注目したいのは、連覇を目指して参戦するライトウォーリアだろう。昨年はマイペースの単騎逃げという絶好の形に持ち込めたが、その後は逃げられなくとも結果を残してきている。とはいえ前走報知オールスターCで、先に抜け出したヒーローコールを捕まえられなかったように、勝つとなれば逃げたいところ。メイショウフンジンという強力な同型がいる中で、昨年の再現ができるだろうか。
昨年アタマ差で頂点に届かなかったグランブリッジは、当時を含め初対戦組に足元をすくわれる傾向にあることが、統一GⅠに届かない大きな理由なっている。それでも川崎2100mはオール連対と、最も得意としている舞台。牡馬相手でも互角に渡り合っているだけに、ホクトベガ以来となる牝馬の戴冠も可能なはず。その期待は急遽手綱を取る、ジョアン・モレイラ騎手に託された。
悲願の統一GⅠ制覇を目指すとなれば、サンライズジパングの存在を忘れてはいけない。2着だった前走フェブラリーSは距離不足感もあったが、最内を突いた幸英明騎手の好判断が呼び込んだもの。距離が延びるのは間違いなく良いし、鞍上も2度目で前進が見込めるはず。むしろポイントは、中央勢に門戸が開放されてから明け4歳世代がわずか2勝しか挙げていないことかもしれない。
実績だけなら、統一GⅠ3勝のメイショウハリオが断然だ。昨年はこの時期に海外遠征を行ったが、結果としてレースを使えず体調を崩しただけ。ただ昨秋以降の戦いを見れば、その後遺症はほとんどないと考えて良さそうである。末一手の馬だけにトリッキーな川崎コースは課題になるが、小回りコース自体は昨年佐賀で行われたJBCクラシック2着でクリアしている。
今回は地方勢もメンバーが揃った印象があるが、特にディクテオンとキリンジという、中央時代から統一グレードで好走を繰り返してきた存在がいる。前者は昨年追い込み届かず4着だったが、位置取り1つで何とかなる着差だった。器用さを武器にする追い込み馬を、初コンビとなる矢野貴之騎手がどう導くか。また後者はジャパンダートダービー2着に昨年のJBCクラシック3着など、地方の馬場ならトップクラス相手に結果を残している。前走ダイオライト記念は見せ場がなかったが、巻き返しは十分可能だろう。
一方でミックファイアとサヨノネイチヤという、南関東生え抜きの実力馬は影が薄くなった気がする。特にミックファイアは古馬相手になってから結果を残していないが、この馬に合う舞台が見つかっていないという部分もあるだろう。課題となっているスタートが決まれば、決して侮れないと思うのだが。
ここまで取り上げなかった馬も含め、今年も多くの馬にチャンスがありそうな組み合わせになったといえる。逆にいえば当日の馬場傾向やレース展開ひとつで、大きく結果が変わる可能性も高い。ドバイの最終選考会の趣があり、順当な決着が多かった一昨年までの印象を払拭することが、馬券で勝つために必要なことかもしれない。
(詳細な出走表は地方競馬全国協会のオフィシャルサイト等で確認してください)