12月に行われた、ダート統一グレード競走の振り返り(カペラステークス、名古屋大賞典、兵庫ゴールドトロフィー)
2024年 12月 25日
自身の体調等の問題により、ツイッター上で見どころを掲載している競走でも、振り返りができないことが増えております。特に統一GⅠ以外のダート統一グレード競走が、現時点で振り返ることが出来ないでおりました。そこで12月に入って行われた統一GⅠを除くダート統一グレード競走を、ここで簡単にまとめて振り返ります。
世代交代をより鮮明にした、3歳馬ガビーズシスターの勝利-カペラステークス(12月8日)
東京盃を制し、JBCスプリントで惜しくもハナ差2着となったチカッパが実績面では断然だったが、今回は古馬相手に結果を残してきた同じ3歳世代が多数加わった1戦。世代間対決はもちろんのこと、3歳世代の中でのせめぎあいにも注目が集まったが、激しい競り合いを最後に抜け出したのは、3歳馬ガビーズシスター。好時計で連勝してきた勢いでこの舞台も突破し、短距離路線に新たな主役候補が名乗り出た。
地形の影響(1コーナーが高く、4コーナーが低い)で中山のスプリント戦はペースが速くなりやすいが、それでも前半600m32.5秒は速かった。さすがに先行勢は直線で失速し、差し馬が台頭するゴール前になったが、勝ったガビーズシスターはその中でも前に近い位置で戦っていた。その分だけいち早く先行勢を捉えるとともに、更に後方にいた追い込み勢を振り切ることにつながった。
ただそれ以前に、1000万下・準OPと連勝してきた時計・内容が秀逸。特に前走でマークした中山1200m1分9秒7は、開催ベストタイムだった。そこでの走りを相手強化の舞台でも出し切ったという1戦で、これなら今後も短距離路線で存在感を発揮してくれるはずだ。
一方でチカッパは、メンバー最速の上がりで追い込んできたものの6着止まり。58キロを背負った影響がなかったとはいえないが、ここまでの急流は初体験。位置取りが後ろになった理由はそこにあると考えるが、それでも崩れず対応できたといえる内容でもあった。この敗戦で評価を下げる必要は、全くないだろう。
この他ではダート統一グレードで3度目の2着となったクロジシジョーは、惜しい所まで来ても今回も突き抜けられなかった。また4着だったサンライズアムールは、先行勢では唯一最後まで粘った点は評価したいと思う。もっとも総体的には、この路線における世代交代が、想像以上に早く進む印象を与えたこと。来年以降も現3歳世代が続々と台頭する姿を、見る可能性が高いと思っている。
正にハンデ戦の大激戦! 最後に笑ったのは3歳馬ミッキーファイト-名古屋大賞典(12月19日)
勝ち馬から9着までのタイム差が0.7秒差。短距離戦や中央主催の競走ならいざ知らず、地方主催の中長距離戦でここまでの接戦となったケースはほとんど記憶にない。そんな混戦となった1戦を制したのは、3歳馬ミッキーファイト。逃げたノットゥルノをゴール直前で捉え、初の古馬相手となった戦いで統一グレード2勝目を手に入れた。
勝ったミッキーファイトは序盤から抜群の手応えで進めていたが、直後にヤマニンウルスとベルピットがついたことで、後ろも意識しながらの戦いだったはず。しかしその2頭は勝負所を前に手応えが怪しくなり、2周目3角から相手を前に絞る形でスパート。しかし4角で再びノットゥルノが突き放し、そのまま押し切りそうな雰囲気になったが、再び差を詰めてゴール直前で逆転に成功したのである。
前走ジャパンダートクラシックの2着は、鞍上の立ち回りの巧さが光ったが、今回も2番手でレースを進めた点に立ち回りの巧さは感じた。ただ2戦続けてセンスを感じる競馬ができるなら、馬自身にレース巧者という評価を与えても良いだろう。しかも初の古馬相手で、統一GⅠ勝ちがある古豪を破ったことは大きな自信になる。まだ強くなる印象もあり、今後世代の先頭を走るフォーエバーヤングに追いつく時が来るとしたら、この1戦が分水嶺だったと語られるはず。それだけ大きな意味のある勝利だったと思っている。
2着ノットゥルノは、力を出せる形になって勝てなかったのは、60キロのトップハンデではなく力負けだろう。若い世代に屈したという意味を加味すれば、もしかしたらこれが最後のひと花になったかもしれない。
3着には最内を突いて伸びたシンメデージーが入った。前が止まらない流れを見て内を突いた吉原寛人騎手の好判断が光ったが、ミッキーファイトより3.5キロ軽い54キロのハンデは恵まれた印象も。ただ対地方馬無敗は、堅持したことになる。
5戦無敗で注目を集めたヤマニンウルスは6着。時計のかかる馬場に対応できなかったという話だが、これまで中央でも比較的時計が出て走りやすい京都と小倉しか経験がなく、その部分の経験値の差が露呈した結果か。そもそも間隔を詰めて使えない、体質的な問題も乗り越えないといけないが。
道営で今期の古馬中長距離重賞を完全制覇したベルピットは9着。地元であまりに楽に勝って来たためか、レースを本気で走らなくなっているという話をした記憶があるが、今回もそういう印象の走り。通用しなかったなら手応えが怪しくなった2周目から離される一方になるはずで、最後まで集団にいたところにこの考えに立つ理由があると思う。
あと東海菊花賞を制して参戦した、生え抜きの3歳馬ラジカルバローズは8着に終わったが、十分レースに参加できていた。これだと東海3歳3冠を達成したフークピグマリオンなど、トップクラスで戦ってきた3歳世代が、どこまで通用するかを見たい気持ちが生まれてきた。
最後の叩き合いを制したのは川崎のフォーヴィズム! 第1回から続く中央勢の連勝をついにストップ-兵庫ゴールドトロフィー(12月25日)
全国各地で行われるダート統一グレードで、1度も地方勢の勝利がなかった競走の1つがこの競走だった。今年は地方勢も充実したメンバーが揃い、地方勢の初勝利がなるか注目されたが、それを叶えたのは川崎のフォーヴィズム。サンライズホークとの激しい叩き合いを制し、統一グレード初制覇を果たしている。
レースはエートラックスの逃げをラプタスなどの中央勢を中心に追走するが、追走組が次々と脱落する展開。そこに道中後方にいたフォーヴィズムが3角から動くと、4角までにエートラックスに並びかける所まで捲って来た。直線では最後方から追い込んできたサンライズホークが並びかけて叩き合いになったが、ハナ差競り勝つことに成功したのである。
勝ったフォーヴィズムは南関東に転入してから丸1年、スパーキングサマーCの勝利を含めコンスタントに結果を残してきた。もう1週待てばそれと同じ舞台の川崎マイラーズがあるにもかかわらず、参戦してきたのは状態面に自信があったことと、54キロのハンデが恵まれたという判断があったはず。そこに吉原寛人騎手の勝負勘が噛み合って、勝利を手繰り寄せたという1戦。可能性が広がったという意味で、大きな勝利だったと思う。
競り負けたサンライズホークは、スタートから行く気を見せず、最後方から。揉まれる競馬になると全くダメなので、恐らく1番枠を引いた段階でこういう作戦を考えていたのだろう。最後方からの大まくりも嵌ったけれど、唯一の誤算が一歩前でフォーヴィズムが同じ競馬をしていたこと。今回は運がなかったが、これでこの馬に対する割り切りはより強くなったと思う。
逃げたエートラックスは、残り100m付近まで踏ん張っていたが、最後突き放されて3着。道中ついてきた馬は沈めたことで力があることを示したが、今回は1-2着馬が良すぎた。今後につながる内容だったと思っている。
地元の期待を背負ったアラジンバローズは、中団で全く動けず7着。外に出すチャンスがなかったことも理由だが、地元に戻ってのプラス10キロの馬体重が、一見良く見えても実は太目だったのかも。この1戦は参考外と捉えたいと思っている。
(詳細な結果は地方競馬全国協会および日本中央競馬会のオフィシャルサイト等で確認してください)
