JBC2歳優駿戦評&全日本2歳優駿見どころ(2023年12月13日)
2023年 12月 13日
2歳馬の頂点を争う全日本2歳優駿が13日に行われます。その見どころを紹介する前に、ここまで詳しく振り返ることができなかったJBC2歳優駿の振り返りをさせていただきます。
・デビュー2戦目で披露した大器の片鱗。フォーエバーヤングが豪脚で激戦に断-JBC2歳優駿戦評
まずはJBC2歳優駿を振り返るが、大井でもレースのカギを握るとされた豪州産の砂は、このレースにおいてもポイントになると考えられていた。特に中央所属の2歳馬にとっては、初めて経験する砂。しかも2日前に行われたエーデルワイス賞で4着まで道営勢が占めたことで、中央勢が苦戦するのではという声は増したように思う。しかし終わってみれば、ダート1戦1勝でこの舞台に立った中央勢が1-2フィニッシュ。中央勢の底力を示す結果になった。
ブラックバトラーの大出遅れで始まったレースは、フォーディアライフがハナに立ち、インテンシーヴォが2番手。そして道営勢のエース格だったパッションクライは3番手と、前の位置取りはスンナリと決まった。こうなるとペースが落ち着くものだが、前半1000mは62.3秒。現在のレース名になってからでは最も遅かったが、砂を入れ替えた影響を加味すれば、実際の数字ほど前が楽な流れではなかったと思う。
しかも3番手で進めたパッションクライが、3角で前を捕まえに行ったことで、さらにレースは激しくなる。ここで抜け出したパッションクライに、中団から迫ったのがサンライズジパング。直線に向くと今度はサンライズジパングが先頭に立って押し切りを図ったが、そこに襲い掛かったのが、後方待機のフォーエバーヤングだった。あっという間に前を視界に捉えると、残り100mで逆転。一昨年のアイスジャイアントに続き、デビュー2戦目の中央勢がこの舞台を制したのである。
勝ったフォーエバーヤングは、デビュー戦でも直線一気の末脚で制していた馬。その素質を買われて1番人気になったが、スタート直後に勢いがつかず、出遅れたブラックバトラーを除けばほぼ最後方からのレースになった。しかし前が息をつけない流れになったこともあり、結果的にこの位置取りが良い方に向いた。そしてエンジンがかかってからの勢いは目を見張るものがあり、大器としての片鱗を如何なく発揮した勝利だったと思う。
ただ現在のレース名に変わってから、先行馬受難の結果が続いていること。また中央勢が制した近2年の勝ち馬、特に同様の経歴で制したアイスジャイアントがその後、鳴かず飛ばずに終わったことから、この1戦だけで楽観視するのは早計だ。昨年も指摘したが、開催時期の関係で中央勢は1勝馬同士になることもあり、別の舞台で2勝目を挙げた馬と対戦で真の力を問うべきではないか。中央勢が制した時は、今後も同様の課題が横たわるだろう。
2着だったサンライズジパングは、早目に動いたパッションクライを追いかけるように動いたことが、勝ち負けという意味では早仕掛けだった。それでも3着を8馬身千切っているのだから、内容という部分では勝ち馬と互角以上の評価をしていいのではないか。この後、カトレアSに出走して15着と惨敗したが、他馬より1キロ重い斤量を背負っていた上に、マイル戦の流れにも対応できなかったもの。総合力が問われる舞台で、もう一度見直したいものだ。
3着にはスタートで大きく出遅れたブラックバトラーが届いた。互角のスタートを切れていたらどうだったかと思うけれど、あのスタートで割り切った戦い方をした結果ともいえる。どちらにしてもまだ素質だけで走っている印象が強い馬で、ひと冬越してどんな姿を見せてくれるか非常に楽しみである。
好位から早目に仕掛けたパッションクライは結局4着。前走サンライズCを勝った時のような強気な競馬が通用しなかったとはいえ、先行馬で残ったのはこの馬だけ。地力の高さを示すには十分な内容で、こちらも来年が楽しみな存在。今回出走した道営勢では、この2頭の素質が抜けている印象を残した。
(詳細なレース結果は地方競馬全国協会のオフィシャルサイト等で確認してください)
川崎競馬11レース「第74回 全日本2歳優駿」(20:10発走)
(2歳・JpnⅠ・1600m)
昨年このレースを制したデルマソトガケは、今年は戦いの舞台を海外に求め続けた。春はUAEダービーを制すると、ケンタッキーダービーにも出走。秋は再びアメリカに渡ると、ブリーダーズカップクラシックで2着と、頂点にあと一歩の所まで迫った。どうしても来年から始動する、ダート3歳3冠路線を戦う1期生たちの争いという部分に注目がされがちだが、その枠にとらわれずに活躍する存在が誕生することを願っている。
JBC2歳優駿を制したフォーエバーヤングは、京都・門別の1800mでデビュー2連勝。広い馬場で破壊力ある末脚を存分に発揮したが、今回はコーナーがタイトな川崎コースに変わり、しかも初体験となる左回りのマイル戦。さらに旧北海道2歳優駿時代を含め連勝したのは、2014年のディアドムズまで遡る。課題が多い1戦を制すれば、名実ともに来年の主役候補として名乗りを挙げるが、それを叶えられるだろうか。
兵庫ジュニアグランプリ出走組は、1-3着馬が揃って出走。中でもハナ差の激戦を繰り広げたイーグルノワールとサトノフェニックスに注目が集まるが、この2頭の比較では、左回りとマイル戦を経験している前者の方が優位か。近年中央勢として制した馬は、2勝目を中央で挙げているという共通項があり、2頭はともにクリアしている。ならば園田で見せた激闘を、川崎でも見せる可能性は十分あるだろう。
方や地方勢は統一グレード出走歴のある馬が1頭もいないのは、少々寂しいところ。そんな中で大将格となりそうなのは、鎌倉記念を制したサントノーレではないか。早目先頭で押し切る戦いぶりには安定感があるし、コース経験があるのも強み。中央勢が川崎コースに苦労するようなら、逆転まであっておかしくないかもしれない。
南関東では今年2つの2歳重賞が新設されたが、ルーキーズサマーカップを制したアムクラージュは、当時は乱戦模様の流れを早目先頭で突き抜けたもの。前走鎌倉記念4着は落ち着いた流れが合わなかったとすれば、中央勢が加わって流れが速くなるのは好都合かも。同じく新設重賞の若武者賞を制したグラッシーズマンは、直後の南部駒賞7着で株を下げた。遠征競馬が合わなかったとすれば巻き返す余地はあるだろうが、厳しい戦いになりそうである。
この他では気難しい所があるが、スピードは一級品のオスカーブレイン。2着に粘った前走南部駒賞のように、気分よく逃がしてくれれば、そのまま押し切る可能性もあるか。また佐賀から重賞2勝のウルトラノホシが勇躍参戦。来年地元開催となるJBCで期待を集める存在になるために、結果を残せなかったとしても経験値を持ち帰ってほしいものである。
(詳細な出走表は地方競馬全国協会のオフィシャルサイト等で確認してください)
1着 (12)番 フォーエバーヤング(1番人気)
2着 (1)番 イーグルノワール(2番人気)
3着 (7)番 サントノーレ(7番人気)
フォーエバーヤング・・・後方一気の末脚でJBC2歳優駿を制した走りを見ているだけに、スンナリと2番手につけた姿には驚かされた。3角で先頭に立ってから、4角で一旦イーグルノワールに並ばれるが、そこからアッという間に突き放して7馬身差圧勝。課題が多いと思われたこの舞台で、レース史上最高といえるパフォーマンスを示したことを考えると、現状で課題は見当たらない。とにかくこの先、どんな選択をするかに注目だ。
サントノーレ・・・好位の内ラチ沿いでじっくり脚を溜め、最後までしぶとく脚を伸ばした。鎌倉記念を制したコース実績がものをいった格好だが、全てが上手くいった3着なら、今後良くなる余地は乏しく感じる。秘めたポテンシャルが果たしてあるのだろうか。
サトノフェニックス(5着)・・・スタート直後に内外から寄られて躓き、落馬寸前の不利。それで流れに乗れなかった結果で、不完全燃焼で終わってしまった。
ウルトラノホシ(6着)・・・馬体の良さはこの中に入ってもヒケを取らなかった。最後伸びてこなかったのは完成度と経験値の差で、伸びしろはかなりありそうだ。
