船橋「かしわ記念」など、ゴールデンウィークの注目レース見どころ 2023年5月4日版(船橋・園田・門別)
2023年 05月 03日
かしわ記念を中心とするゴールデンウィークの船橋開催。その最終日となる5日に、先日引退を表明したミューチャリーの引退式が行われる。地方競馬の悲願であったJBCクラシックを金沢開催だった2021年に制覇したシーンは、今での多くの地方競馬ファンの心に残っているだろうし、地方競馬関係者に勇気を与える勝利だったことは間違いない。引退式は第1レース前の13時ごろに行われるということなので、最後の雄姿を見たい方は是非とも早目に競馬場へと足を運んでいただきたいと思う。
<お知らせ>
この記事で取り上げる競馬場の他、本日は名古屋でも開催がございます。
船橋競馬11レース「第35回 かしわ記念」(20:05発走)
(古馬・JpnⅠ・1600m)
競走除外:(10)番 スマイルウィ
ゴールデンウィークの統一グレード3連戦を締めくくる統一GⅠ。この春は海外に遠征した馬が多く、ここにどれだけのメンバーが揃うか、正直不安もあった。だがメンバーが出揃ってみると、中央勢は国内専念組が勢ぞろいする充実したメンバーに。地方勢もオールスターキャストと評してもいいほど実力馬が揃い、レベル的にも馬券的にも楽しめる組み合わせになったと思う。
どの馬が勝ってもおかしくない、充実した陣容を揃えた中央勢の大将格は、昨年の帝王賞を制したメイショウハリオ。その後は統一GⅠで5→3→3着と上位を外していないが、気楽な立場で乗れたことで展開利があった帝王賞の一方で、自ら勝ちにいって抜け出せなかった東京大賞典のギャップを見ると、勝つとなると何らかの助けが欲しい存在か。前走フェブラリーS3着もマイルOKの印象を与えたかというと微妙で、実績上位でもねじ伏せる立場にはいないと感じる。
一方で昨年JBCレディスクラシックを制したヴァレーデラルナは、その後2戦続けて当時2着のグランブリッジに敗れたが、相手に利がある条件という背景もあった。3歳春にノットゥルノやペイシャエスといった、世代トップクラスの牡馬と差のない競馬をしただけに、この相手でも決して格負けしない。昨年のショウナンナデシコに続く牝馬の制覇は十分あると思う。
2年連続2着のソリストサンダーは、悲願の統一GⅠ奪取を目指す。一昨年は大舞台の経験不足が、昨年は海外遠征帰りが敗因とするなら、今回は最高の臨戦過程。しかも中央勢で唯一船橋コースの経験があることも、条件面で有利だ。もしかしたらラストチャンスかもしれない舞台で、最高の結果を手にできるだろうか。
充実度ならシャマルをおいて右にいないだろう。この1年間で統一グレード4勝の実績もさることながら、初のマイル戦だったマイルチャンピオンシップ南部杯で、あと1歩の3着という結果がこの馬の評価を高めている。当時の1-2着馬が不在でもあり、1番人気はこの馬がなるのではと私は感じている。
片や地方勢だが、一昨年の覇者であるカジノフォンテンは、なかなか光明が見いだせないでいる。当時の勢いを失った中だった昨年の4着は力負けという印象で、当時より良くなった印象もないのは確か。ただ今回は、今年に入ってテン乗りで重賞2勝を挙げた澤田龍哉騎手との初コンビ。気難しさがあるこの馬を上手く導けば、復活のシーンもあるかもしれない。
ただ今回、南関東のエースとして登場するのはスピーディキックで間違いない。前走フェブラリーSは、幾度となく前が詰まりながら6着。スムーズならもっと上に来られたはずで、トップクラス相手に通用することを示すに十分な走りだった。前走のような密集した戦いにはならないと思われ、それなら爆発的な末脚を如何なく発揮して、突き抜けるシーンが見られてもおかしくないと思う。
そしてもう1頭忘れてはならないのは、園田から参戦するイグナイターだ。昨年この時期に黒船賞とかきつばた記念を連勝すると、秋はマイルチャンピオンシップ南部杯で小差の4着。この路線におけるトップホースとしての地位を確立した1年を送った。今回初コンビを組む笹川翼騎手が最終追い切りに駆け付けたように、意気込みはどの陣営にも負けない。その意欲が結果に結びついた先には、園田勢初の統一GⅠ制覇が待っている。
園田競馬11レース「第59回 兵庫大賞典」(17:55発走)
(古馬重賞・1870m)
かしわ記念でイグナイターに笹川翼騎手が手綱を取るのは、主戦の田中学騎手がこのレースで3連覇がかかるジンギに騎乗予定だったためである。ところがそのジンギが直前になって脚部不安を発症し、出走回避。古豪エイシンニシパも故障で休養中のため、やや寂しい組み合わせとなった春のグランプリである。
そうなると南関東から転入後、地元では4戦無敗のラッキードリームの戦いぶりに注目が集まる。統一グレード2戦は噛み合わない競馬になって結果を残せなかったが、久々の地元戦となった前走をきっちり勝利。ひと叩きして状態は確実に上向いている上に、ここは地元のライバル勢が不在。改めて統一グレード戦線を目指すのであれば、勝ち方が問われる1戦になるだろう。
その前走で最後まで喰らいついたのがツムタイザンだった。2歳時に地元の頂点に立ちながら、脚部不安による長期休養を余儀なくされたが、ようやく華やかな舞台に戻って来た。相手は叩き台だったので逆転は容易ではないけれど、こちらも上積みがあっておかしくない。地元生え抜きの意地もあり、逆転をあきらめていないはずだ。
また3歳時に兵庫チャンピオンシップ勝ちがあるテーオーエナジーや、明けて11歳ながら新春賞2着と充実しているエイシンナセル。さらに条件クラスを3連勝し、いきなりこの舞台にぶつけてきたタガノキングロードなど、走りに注目したい馬は少なくない。1強ムードといえど、簡単に勝たせてくれる相手ではないと思いたい。
門別競馬12レース「第47回 北斗盃」(20:35発走)
(3歳・地方全国交流重賞・1600m)
2015年に新設された内回りコースのマイル戦になって以降の8年で、2冠馬が5頭誕生している。距離が詰まって連動しやすくなったことはあるが、そもそも勝ち馬を見れば全国区で名を馳せた馬が多い。過去には2歳戦のトップクラスが、3歳になって1頭も残らないという時期があったが、他地区で活躍できる馬が地元に残るケースが増えたことが1番の理由に思う。
その流れを象徴するのが、JBC2歳優駿2着など地元ナンバー1の評価を得ていたベルピットが地元に残ったことだ。ひと冬越しての成長を見る1戦となった開幕日のOP特別は、余裕十分に抜け出して圧勝。1700m1分47秒7の勝ちタイムも破格で、正直今の南関東勢のトップクラスにどこまで戦えるのかを見たい程。前走より相手は強くなるが、それでも主役の座を譲れない1戦だと思っている。
ただ今回は未対決の実績馬も少なくない。プルタオルネは船橋の平和賞に遠征して勝利を飾った実績が。レースレベル的にどうだったかという面はあるが、力がなければ南関東でタイトルは手にできないはず。今期初戦で成長度は未知数だが、1強ムードを打ち砕く筆頭格はこの馬で間違いないだろう。
また冬場に園田へ移籍し、笠松ゴールドJr制覇など重賞戦線で結果を残したニシケンボブが、ここに合わせて戻って来た。休みなく使われていたことはもちろん、今年から使用している門別競馬場の新しい砂を、園田時代に経験していることも武器になる。道営では重賞初出走も、侮れない存在である。
この他では前走はベルピットに完敗も、キャリア3戦で距離短縮も味方につけそうなシーザーペントに、南関東生え抜きで今回が移籍初戦となるサンベルベットなども、気になる存在だ。いずれにせよ南関東など他地区に負けない、ハイレベルな戦いが繰り広げられることだろう。
(詳細な出走表は地方競馬全国協会のオフィシャルサイト等で確認してください)
ゴールデンウィーク中に各地の重賞競走の見どころを紹介する記事は、5月7日分が最後となります。当日行われる3つの重賞競走を取り上げます。
1着 (2)番 メイショウハリオ(2番人気)
2着 (13)番 タガノビューティー(5番人気)
3着 (7)番 ハヤブサナンデクン(3番人気)
4着 (4)番 シャマル(1番人気)
逃げたヴァレーデラルナが刻んだ前半1000m61.8秒は、昨年より1.4秒も遅い。しかし前10頭が6~7馬身に収まる団子状態で進んだことで、切れ味のある馬に向く展開になった。外を回った追い込み馬が1-2着を占めたのは、その展開が味方した印象が強い。
メイショウハリオ・・・集団のほぼ最後方にいたが、3角から大外を気分よく上昇。直線半ばで先頭に並びかけ、最後3頭の叩き合いも制した。レース展開がこれ以上ない形で向いたとはいえ、上昇していった際の手応えはさすが帝王賞馬といったもの。海外遠征組の動向次第で、帝王賞連覇も現実味を帯びてきたと思える勝利。ただこの馬が勝ったことで、マイル戦としてのレースレベルに疑問符が付いたのは確かだ。
タガノビューティー・・・道中はメイショウハリオの一歩前で進め、仕掛けも一歩先んじていた。ただ直線で抜け出す前にメイショウハリオに外から来られてしまい、そこで伸び脚が鈍った分だけ競り負けてしまった。中央勢では最も格下でも、展開を味方につけてこれ以上ない競馬ができただけに、余計に金星を逃した1戦に映った。
ハヤブサナンデクン・・・3番手から勝負所で自分から前を捕まえに行く、積極的な競馬。マイルは短いという印象はあったが、近況の充実ぶりを示す内容で、大きな自信を手にしたのは間違いない。それだけに最後3着に競り負け、賞金という果実を手にできなかったことが後々響かなければいいが。
シャマル・・・逃げ馬の真後ろという位置は絶好に見えたが、勝負所で後方からどんどん来られて位置を下げたのが致命的。最後は重くなっている内を突くしか選択肢がなく、最後の叩き合いに加われなかった。ただ本質的な部分で、この距離では速い時計が出る馬場を求める馬かもしれない。
スピーディキック(6着)・・・後方のインで包まれてしまい、何もできずに終わった1戦。勝ったメイショウハリオが今回の展開における模範的なコース取りをしただけに、その差が際立ってしまった。
イグナイター(7着)・・・4角手前で置き去りにされた姿を力負けと捉えるか、他に理由があると考えるか。個人的には船橋で使用している砂が、この馬に合っていない可能性を感じるのだが。
3着に入ったハヤブサナンデクンは、レース後故障が明らかとなり、9日に引退することが発表されています。
1着 (3)番 ラッキードリーム(1番人気)
2着 (2)番 メイプルブラザー(8番人気)
3着 (1)番 タガノキングロード(4番人気)
ツムタイザン(4着)が刻むスローペースに業を煮やす形で、2周目向正面から強引に捕まえに行ったラッキードリーム。最終4コーナーで競り潰した後、強引な競馬をした分だけ後続の追撃を許したが、しっかり勝ち切った。負けられない1戦ゆえに余裕のない戦いぶりになったが、逆にいえば地元馬同士ならどういう競馬でも勝てることを証明したか。個人的には帝王賞の声を聴きたかったが、どうやら次走は地元の六甲盃になりそうだ。
ラッキードリームが強引な競馬をしたことで、2-3着には追い込み馬が台頭した。初の重賞連対となった2着メイプルブラザーは、これで昨年5着時と同程度の時計。昨年の3着までが不在だったことで、浮上したという側面もある。
1着 (4)番 ベルピット(1番人気)
2着 (8)番 ニシケンボブ(2番人気)
3着 (1)番 シーサーペント(5番人気)
序盤は前後左右を囲まれて行きたがるのを懸命に抑えていたベルピットだったが、3角手前で一瞬前が開けた瞬間を見逃さずにゴーサインを出すと、一気に先頭に。後は後続に影を踏ませることなく、1冠目のゴールを駆け抜けた。勝ちタイムの1分41秒2はレースレコードで、後に3冠馬となったリンゾウチャネルやラッキードリームでも42秒台。スケール感はそれらと同等か、それ以上といえそうだ。
2着ニシケンボブは、休みなく使われていた利を活かしたもの。この先差を詰めるのは簡単ではないか。見せ場なく6着に終わったプルタオルネは、休み明けにしても負けすぎ。負けるときは大きく崩れる傾向にある馬だが・・・。
