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緊急コラム 国内ダート競馬の理念が結実した、ウシュバテソーロのドバイワールドカップ制覇

2023年3月25日は、国内ダート競馬の理念が結実した1日として、後世に語り継がれることになるだろう。日本競馬がダート競馬の目指す頂として意識してきたドバイワールドカップ(以降、ドバイWC)を、東京大賞典と川崎記念を連勝して乗り込んだウシュバテソーロによって、そのタイトルを手にしたからである。序盤最後方も、超ハイペースの展開もあって抜群の手応えで上昇。私の眼には4角で勝てそうに映ったが、それが現実になった瞬間、得も言われぬ感動が私を包み込んでいた

日本調教馬によるドバイWCの制覇自体は過去にもあったが、当時はオールウェザーで行われた影響で、メンバーの質やレースのステイタスが大きく下落していた時期。しかも国内ダート競馬に関与しなかった馬だったため、むしろ当時は国内ダート競馬の価値を毀損しようとする声もあった。だが過去2年のドバイWCでチュウワウィザードがあと一歩に迫る走りをみせ、2021年にはマルシュロレーヌ米ブリーダーズカップディスタフ制覇という、日本競馬史上最高の偉業も。国内ダート競馬で結果を出した馬が海外でも結果を出し始めたことで、ここでも頂点に立つ日が近いと感じさせていたが、ついにその日がやってきたのだ。

思えば“交流元年”という言葉とともに、中央⇔地方を横断する国内ダート競馬の整備が始まったのが1995年。そして偶然にも翌1996年に、世界最高賞金競走の触れ込みで創設されたのがドバイWCだった。それもあって国内のダート競馬は、ドバイWCに最強馬を送り込むことを念頭に整備されたことを、このブログでも再三触れてきた。実際に川崎記念がドバイWCを目指そうとする馬の壮行レースであったり、最終選考会的な位置づけになったりしたことも、その理念があったからである。

そして2001~02年から始まった、JBCクラシックから川崎記念まで、年をまたいで約1ヶ月間隔で続くチャンピオンディスタンスの統一GⅠ4連戦は、それを戦い抜けなければ勝てないという考えがあったから。その路線を勝ち抜く形で乗り込んだウシュバテソーロは、今年のドバイWCを制するには最もふさわしい日本調教馬だったといえるだろう。

ただしチャンピオンディスタンスの統一GⅠ4連戦は、国内ダート競馬の大改革により、今回をもって解体される。それはドバイWCに最強馬を送り込むという、ダート競馬整備に向けた当初の理念を失うことでもある。しかし裏を返せば海外の舞台を頼らない、地に足がついた国内ダート競馬路線を整備しようという意思表示。その歴史が転換する国内ダート競馬第1期のフィナーレともいえた今年のドバイWCウシュバテソーロが制したことは、考えうる究極のグランドエンディングかもしれない。

<お知らせ>

2024年から本格始動する、新たな国内ダート競馬路線に関して、詳しい考察を行うコラムを4月中に掲載いたします。


by hirota-nobuki | 2023-03-26 21:30 | コラム | Comments(0)

地方競馬・ダート競馬の発展を願ってやまない博田伸樹(ヒロタ・ノブキ)です。この場を通じて地方競馬・ダート競馬により興味を持つ人が1人でも増えてほしいと願っています。 twitter:@HirotaNobuki


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