2022年12月31日の注目レース見どころ(水沢・笠松・園田・大井・高知)
2022年 12月 30日
色々なことがあった2022年もあと1日。大晦日は例年通り開催される5場全てで重賞競走が予定されていますが、昨年は水沢の桐花賞がレース直前になって降雪で中止となってしまいました。今年の冬も開催中止となった競馬場がいくつかありましたが、全競馬場が無事に開催されることを願いたいものです。
(古馬重賞・2000m)
今期の岩手競馬を牽引したのは、開幕前に移籍してきたヴァケーションだった。シアンモア記念を制すると、夏にはマーキュリーCで3着と、統一グレードでも好走。秋は統一GⅠに続けて出走し、地元の顔として今シーズンを駆け抜けた。正直右回りの走りは良くないが、それでも水沢コースでは結果は出しており、シーズン最終戦のここも結果を出したいところだと思う。
これに待ったをかけるのは、前走トウケイニセイ記念を転入初戦で制したノーブルサターン。南関東では結果が出ない時期が長く続いたが、統一グレード好走歴を持つ実績馬が岩手で復活を果たした。前走の道中の手応えには余裕があり、一気に頂点の座を奪っても驚けないだろう。
また3年前にこのレースを制しているヤマショウブラックや、前走北上川大賞典で待望の重賞初制覇を果たしたジェイケイブラックなどが、虎視眈々と逆転を狙っている。開幕重賞のスプリングC以来となった3歳馬クロールキックに、ジャパンC帰りのリッジマンの参戦も、盛り上がりにひと役買うはずだ。
笠松競馬10レース「第51回 東海ゴールドカップ」(15:40発走)
(古馬重賞・1900m)
かつては東海地区の年末最後の大一番という風情があったが、年末年始の重賞ラッシュが起こってからは埋没する印象もあった。ただそれが近年整理された上に、年末に行われていた名古屋GPも上旬に行われたたことで、今年は近年になくメンバーが揃った1戦になった。
注目は今年の東海3歳3冠を制したタニノタビトの参戦である。3冠達成後は積極的に強い相手と戦い、勝ち負けまで届いていないが、地元での近2走はいずれも地元最先着。現在東海地区には核となる存在が見当たらないだけに、地元限定戦となるここを制し、足場を作りたい1戦にしたいはずだ。
古馬勢で今期存在感を発揮したのはウインユニファイド。オグリキャップ記念2着や、佐賀で行われた鳥栖大賞を制するなど、交流戦で結果を出して古豪健在を印象付けた。ただ東海菊花賞を取り消し、順調度を欠く今回は、当日の気配に注目する必要があるだろう。
また遠征競馬で活躍したという意味では、金沢の北國王冠を制したアンタンスルフレも忘れてはいけない。更にこれを10月のオータムCで破っているロッキーブレイヴや、笠松デビューでここまで10戦9勝のラブアンバショという上り馬も参戦して、目移りするメンバー構成になった。またイイネイイネイイネに、元笠松の川原正一騎手が騎乗することにも注目したい。
園田競馬11レース「第51回 園田ジュニアカップ」(16:05発走)
(2歳重賞・1700m)
兵庫若駒賞を無傷の3連勝で制し、世代をリードしたかに思われたベラジオソノダラブが、前走初の1700m戦で3着敗退。行きたがったために追っての反応が悪かったことや、57キロを背負ったことが影響していると思われ、この1戦だけで大きく評価を下げるのは早計。ただこの敗戦によって、混戦ムードで迎える2歳王者決定戦になったのは間違いないだろう。
今回と同じ1700m戦を勝って参戦するのがヒメツルイチモンジとスマイルミーシャの2頭だが、どちらも11月デビューで、かつデビューから無敗で駒を進めてきたという共通項がある。今後の成長が楽しみな2頭が、どんな戦いを見せるかはレース最大の注目点だと考えている。
他にも園田プリンセスCを制したアドワンに、ベラジオソノダラブが敗れたレースで2着に入ったアルザードなど、力のある馬が揃っている。ちょっとしたレースのアヤがあれば、人気馬総崩れになった3年前のような結末もありそうな1戦ではないだろうか。
大井競馬10レース「第46回 東京2歳優駿牝馬」(16:30発走)
(2歳牝馬・地方全国交流重賞・1600m)
“グランダム・ジャパン”の最終戦でもあるが、今年は転戦を続けて総合優勝を目指そうとした馬がいなかった。そのため現在トップで今回不出走、しかもシリーズ戦の優勝がないエイシンエイトが、漁夫の利を得る可能性も残されている。
地元前哨戦のローレル賞を制したのはマカゼ。その前のレースで2番手の競馬で敗れた反省か、ここは好スタートからそのまま逃げ切り。現状では逃げた方が力を出せる馬なのだろう。メンバーが変わる上に、今回は初の大井コースも課題になるが、ハナに立てば逃げ切るだけのスピードは持っていると思う。
同じ南関東デビュー組ではアレナルとコスモモカの2頭が、デビューから無敗でここに駒を進めてきた。特にアレナルの方はデビュー2連勝がいずれも好時計で、特に前走の1分41秒5(不良)は、例年の勝ち時計を1秒以上上回る。ローレル賞でマカゼの手綱を取っていた矢野貴之騎手がこちらに乗ることもあり、人気はこちらが集める可能性もありそうだ。
マカゼとともに勝てばグランダム・ジャパンの総合優勝を無条件に決められるのは、ボヌールバローズとフジラプンツェルの2頭。しかしラブミーチャン記念を逃げ切ったボヌールバローズは、多頭数競馬が初めてで、スムーズな競馬ができるか。一方岩手から参戦するフジラプンツェルはプリンセスCこそ強かったが、その前の南部駒賞は遠征勢に屈した点が、地区レベルという意味で気になるところだ。
道営デビュー組では、ブロッサムCを制したスギノプリンセスが筆頭格か。前走JBC2歳優駿は牡馬の前に何もできなかったが、牝馬同士になればそこでもまれた経験が活きるはず。今回とコース形態が似ている門別内回りで2勝している点も魅力的である。
また札幌遠征で勝利を挙げたジョリダムに、盛岡芝のジュニアGPを制したラビュリントスという、芝実績のある馬が参戦したのも興味深いところ。いずれにしても底を見せている馬は全くおらず、大激戦必至の1戦とみて良さそうである。
高知競馬7レース「第53回 高知県知事賞」(17:30発走)
(古馬重賞・2400m)
今から10年前、高知県知事賞の1着賞金は135万円しかなかった。それが今年、同じ大晦日に行われる東京2歳優駿牝馬と同じ1着賞金2000万円となり、更に賞金総額ではこれを上回ったのである。そんな高知競馬の隆盛を象徴する歴史的1戦は、昨年に引き続きFM高知とFM徳島で実況生中継される。
今年の高知競馬を牽引したのは、1月に転入してきたララメダイユドールだった。転入後、重賞3勝を含めて6戦無敗。しかも全て2着に3馬身以上の着差をつける圧勝劇で、一気に主役の座を奪った。当然2周する2400m戦は初めてだが、距離に不安を感じる走りは見せておらず、転入後無傷の7連勝で最高峰の舞台も制する可能性は高いのではないだろうか。
一方で昨年、3連覇を目指しながら2着に敗れたスペルマロンは、その後大スランプに陥った。このまま終わってしまうのかと思われたが、10月に復活の狼煙をあげる勝利を挙げ、再びこの舞台に戻ってきた。連勝街道を歩んでいた当時にどこまで戻っているかはポイントだが、距離経験の豊富さを武器に、喰い下がる姿を見せたい所だ。
勢いなら1番といえるのが、転入後14戦12勝でこの舞台に立つグッドヒューマーだ。時計は既にトップクラスで通用するものを叩き出しているし、吉原寛人騎手が手綱を取るのも魅力的。中央時代は短距離で結果を出していた馬なので、距離延長は気になるが、克服しておかしくない力はあるだろう。
昨年ここでスペルマロンを破ったグリードパルフェは、その後半年休養したこともあり、今期は前走の1勝のみ。ただ南関東時代に東京ダービー4着の地力は、今年も侮れない。今年の3歳3冠路線で2冠を制したガルボマンボの戦いぶりも見逃せず、2022年の掉尾を飾る激しい戦いが繰り広げられるだろう。
(詳細な出走表は地方競馬全国協会のオフィシャルサイト等で確認してください)
1着 (5)番 ノーブルサターン(1番人気)
2着 (11)番 ヴァケーション(2番人気)
3着 (12)番 グランコージー(5番人気)
2頭のマッチレースとなった最後のゴール前、競り勝ったのはヴァケーションを見てレースを進めたノーブルサターンだった。転入前の南関東最終戦で復調気配を見せていて、岩手で更に状態を上げたといえる走りだった。敗れたヴァケーションも、春に比べて右回りの動きは悪くなく、今回は相手の勢いを認めるべきだと思う。
1着 (9)番 ウインユニファイド(2番人気)
2着 (7)番 アンタンスルフレ(6番人気)
3着 (4)番 ロッキーブレイヴ(5番人気)
4着 (12)番 タニノタビト(1番人気)
2周目3角で抜け出した2頭が最後まで競り合ったが、勝ったのは外を回ったウインユニファイド。1-2着の2頭は他場で行われた交流重賞を勝っていた馬で、結果的にその実績を素直に評価すべき1戦だった。逆にいえばタニノタビトは、その部分での経験値と笠松コースへの適性の差が、勝負どころで置かれた理由と考える。
1着 (11)番 スマイルミーシャ(1番人気)
2着 (6)番 ベラジオソノダラブ(3番人気)
3着 (2)番 ヒメツルイチモンジ(2番人気)
2周目3角で外から先頭に立とうとしたベラジオソノダラブを、外からスマイルミーシャが4角で捲り切って、無傷の4連勝で重賞初制覇。牝馬にしてはエンジンのかかりが遅いタイプのようだが、勢いがついてからの脚は目を見張るものがあった。もう少し反応が良くなれば、もっと楽に勝てるようになる気がする。
1着 (6)番 メイドイットマム(2番人気)
2着 (15)番 ボヌールバローズ(10番人気)
3着 (9)番 サーフズアップ(8番人気)
5着 (10)番 アレナル(1番人気)
勝ったメイドイットマムは、先行勢を射程圏に入れて進めると、最後の直線で馬群を割って抜き抜けた。その切れ味は昨年のスピーディキックとも重なったが、こちらは今回が重賞初制覇。今後の成長を期待したい一方で、まだ抜けた存在と評するのは早いだろう。2着ボヌールバローズは、大外枠からマイペースの逃げに持ち込めたことが好走の要因。一方で最後伸びなかったアレナルは、初めてもまれる競馬になったのが理由では。この経験が今後の糧になるといいが。
1着 (4)番 ガルボマンボ(5番人気)
2着 (1)番 スペルマロン(4番人気)
3着 (5)番 クリードパルフェ(3番人気)
10着 (2)番 ララメダイユドール(1番人気)
ララメダイユドールは軽快に逃げていたように見えたが、昨年より5秒以上も勝ちタイムが速くなったようにペースが速く、自信が過信になってしまったか。後続が来た時には、もう脚が残っていなかった。その2周目3角で捲って先頭に立ったスペルマロンに、ついていった3歳馬ガルボマンボが最後の直線で競り落として、2017年のフリビオン以来となる3歳馬の制覇。今期各地で結果を出し続けた高知3歳世代を象徴する、グランプリ制覇だったといえそう。また気楽な立場に戻ったスペルマロンが、復活を印象付ける走りを見せたことも良かったと思う。
