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10月12日~30日に行われた、主な2歳戦の振り返り

JBC関連の記事掲載を行ったことに加え、個人的に競馬以外の案件に時間を取られていた関係で、ここ1ヶ月ほどダート統一グレード以外の見どころや振り返りを、ツイッターでほとんどできませんでした。そこで表題で示した期間に行われた注目の2歳戦を、ここでまとめて振り返りたいと思います。

なお振り返るレースの基準は、重賞競走であるかどうかではありません。また10月20日に行われたダート統一グレードのエーデルワイス賞は、ツイッター上で振り返っているため、ここでは取り上げておりません。

10月12日 川崎「第21回 鎌倉記念」

(2歳・地方全国交流重賞・1500m)

前走イノセントCを含め全て逃げて無傷の3連勝中だった道営スペシャルエックスが、ここでもそのスピードを如何なく発揮して逃げたが、それについて来たのが川崎で3連勝中だったヒーローコール。最後はこの2頭の叩き合いとなったが、競り勝ったヒーローコールがタイトルを手にしている。

勝ったヒーローコールも前走同じ舞台で1分34秒9の破格のタイムをマークしたことで、注目されていた存在。それが本物かが問われた舞台だったが、ほぼ同じ1分35秒0で駆け抜けて道営勢を抑えたのだから、見事という他ない内容だった。

この勝ちタイム、2018年のミューチャリーや昨年のシルトプレが出した33秒台と比べると見劣りがするが、この直前に行われた古馬B2級の時計が1600m1分45秒3。昨年はほぼ同条件の中央500万下交流が行われたが、これが同1分42秒4だったことと比べれば、少なくとも同等の評価はできるだろう

もちろん2着に逃げ粘ったスペシャルエックスも、距離延長や初の左回りといった課題を抱えていたことを考えれば、評価を下げる内容ではない。この先の期待が広がる、1-2着馬の走りだったと思っている。

10月13日 園田「第15回 兵庫若駒賞」

(2歳重賞・1400m)

デビュー2連勝でこの舞台に立ったベラジオソノダラブがここも制し、無傷の3連勝で地元の頂点になった。

ただ今回はスムーズな競馬ができた過去2戦と違い、スタートでヨレてダッシュがつかずに包まれ、中団からの競馬に。それでも3角で外に持ち出すと、1頭だけ違う手応えで4角までに捲り切った。そこで脚を使った分、最後は後続に迫られたが、素質の高さを示すには十分だった。ここでもまれる競馬を経験できたことは、今後に活きてくるだろう。

2着は更に後方から追い込んできたジョイブラック。前走の初勝利まで6戦を要したが、相手なりに走れることは距離が延びて良さが出てきそうな印象だ。4角手前で一旦抜け出す場面があったアルサードは結局3着も、2ヶ月ぶりの実戦が影響したか。勝ち馬と力の差を感じる内容ではなかった。

10月16日 盛岡「第49回 南部駒賞」

(2歳・地方全国交流重賞・1600m)

デビューから無傷の5連勝。久々に岩手生え抜きで出てきた大物候補と呼ばれたフジラプンツェルが、遠征勢相手に通用するかに注目が集まった。しかし後方から4角では先頭に迫る場面を作ったものの、そこで突き放されて4着。遠征馬3頭の後塵を拝してしまった。

確かに若鮎賞を勝った時の前半1000m61.4秒(重)に対し、今回が同62.5秒(良)なら、前が止まらない流れに泣いたともいえる。ただ自身の走破タイムが当時とほぼ同じなら、力を出せなかったとは言えない。地区レベルの差を認めた上で、他に理由があるとしたら距離か。そこを意識しながら、今後の成長を見守る必要があると思う。

一方で勝ったのは、スタートから逃げたエイシンケプラー。道営ではOP勝ちこそあるが目立つ実績はなかったものの、前走マイル戦を逃げて2着に粘った経験が大きかった。門別のマイル戦(≒内回り)は先行勢に厳しい流れとなりやすいため、そこで踏ん張れる馬にとって、盛岡のマイル戦は戦いやすかったはず。今後もスピードを活かす競馬になるだろうが、それでどこまで出世できるか注目したい。

10月18日 金沢「第7回 金沢シンデレラカップ」

(2歳牝馬・地方全国交流重賞・1500m)

こちらもデビューから無傷の5連勝を果たしたショウガタップリの走りに注目が集まったが、大井から矢野貴之騎手を呼び寄せる意欲を見せたのは驚いた。レースは3角から馬なりで上昇して、4角で先頭。そのまま押し切って無傷の6連勝でこのタイトルを手にしている。

ゲートはお世辞にも上手くないことから、中団からとなった序盤の位置取りは想定通りだったはず。ただそこから馬なりで先頭に立てる地力は、目を見張るものがあった。地の利は認めても、遠征馬相手にここまで強い競馬を見せたのは、今後に向けて楽しみが広がる。ひとつ課題を挙げれば、追い出された直線で突き抜けられなかった点で、そこが改善されれば全国区でという期待をされるだろう。

逃げたキモンアップルは、4角で交わされながら最後まで喰らいついて2着。道営でも逃げる競馬ができた時はしぶとい競馬をしていたので、その持ち味を活かした形。周りも速い短距離戦より、ある程度距離があった方が持ち味を活かせることがわかったことも収穫だった。

10月26日 名古屋「弥富記念」

(2歳・名古屋所属馬限定準重賞・1500m)

デビュー戦で1.5秒差、生え抜き限定戦だった2戦目の準重賞で2.1秒差をつけて連勝したセブンカラーズにとって、道営デビュー組が加わる今回は試金石だった。だがレースになれば馬なりでハナに立つと、後続に影を踏ませることなく逃げ切り勝ち。無傷の3連勝で大物候補誕生を宣言した。

とにかくこの馬の強さばかりが目立ったが、勝ちタイムの1分35秒6は、地元古馬A級戦で通用するレベル。2歳のこの段階でこれだけの時計をマークできれば、相当な素質を認めていいだろう。近年の東海地区はサムライドライブ・エムエスクイーンといった、2歳時から連勝街道を歩む牝馬が登場していているが、この馬もその系譜を辿ることが期待される。

ただ2着に入ったエムエスドンは、セブンカラーズの2戦目でつけられた2.1秒差を、今回は4馬身差まで詰めている。こちらは牡馬なので、伸びしろという部分ではこちらの方が期待できるかも。この差がこの先詰まるのかは、気にして損はないだろう。

10月26日 船橋「第68回 平和賞」

(2歳・地方全国交流重賞・1600m)

素質馬が揃って混戦が予想されたが、終わってみればともに取消明けだったホッカイドウ競馬勢の1-2決着。南関東勢は苦杯を舐める結果となってしまった。

勝ったプルタオルネは好位の外でスムーズな競馬をさせると、ラスト1ハロンを切ってから鋭く伸びて、先に抜け出していたスーパーファルコンを差し切った。地元で1800m戦を好走した実績が、タフな馬場で最後に活きた印象。ただ勝ちタイムの1分46秒3は、同日の古馬C1級とほぼ変わりなく、その部分では評価は低い。現状では好走する条件は狭いのかもしれない。

後方から息の長い末脚で2着に届いたグロリオサも、1700mのサッポロクラシックC3着など、長い距離で実績を残してきた馬。今回はそういうスタミナで優位に立った馬が結果を出した1戦といえるだろう。その意味では2番手から早目に抜け出して最後まで粘ったスーパーファルコンは、1200mまでしか経験がなかったことを考えれば、4着という結果は悪くない。今後の可能性ならこの馬かもしれない。

10月30日 高知「第7回 黒潮ジュニアチャンピオンシップ」

(2歳・高知デビュー馬限定重賞・1400m)

生え抜き限定戦ということで比較的力関係がハッキリしやすく、それもあってこれまでは順当な決着が続いていたレース。ところが今年は上位人気馬が総崩れとなり、3連単では70万円台という大波乱の決着となった。

その要因となったのは3連勝中で1番人気だったユメノホノオが4着に終わったためだが、スタートから行き脚がつかず、1角でムチが入りながらズルズル下がってしまう程。そこから巻き返して3角付近で上昇する時の脚は見どころがあったけれど、あれで勝てるなら化け物か相手が弱すぎるかのどちらか。少なくとも抜けた力を持つ馬が、高知生え抜きにいないことはハッキリしたと思う。

上位3着までを占めたのは、スタートで前を取ってそのまま後続の追撃を凌いだ馬たち。この3頭は全てユメノホノオが3連勝目を決めたレースに出て敗れた馬だが、この時は激しい先行争いに敗れ、持ち味を出せなかったという意味でも共通している。前走から100m距離が延び、先行争いが落ち着いたことで力を出せる展開になって、巻き返しに成功したという評価が適当だろう。

しかし勝ったハチキンムスメに関しては、力を出せない形でも追い込んで2着に入っていた前走の経験が、2番手から抜け出す場面で活かされたと思う。展開に左右されない力を身につければ、今後も上位を賑わせることができるだろうが、この先転入組が加わってどうかというのは、また別の問題である。

(詳細な結果は地方競馬全国協会のオフィシャルサイト等で確認してください)


by hirota-nobuki | 2022-11-01 23:15 | 地方競馬 | Comments(0)

地方競馬・ダート競馬の発展を願ってやまない博田伸樹(ヒロタ・ノブキ)です。この場を通じて地方競馬・ダート競馬により興味を持つ人が1人でも増えてほしいと願っています。 twitter:@HirotaNobuki


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