大井「大井記念」全頭解説(2022年5月25日 20:10発走)
2022年 05月 25日
2019年の大井記念を制し、その後長きにわたり統一グレード戦線で活躍したモジアナフレイバーが、24日に現役引退を発表した。18日に出走した川崎マイラーズ6着の後、脚部不安を発症したことが引き金になったとのこと。個人的にも思い入れの強い馬で、統一GⅠを手にできる素質があると見込んでいたが、そこに届かなかったのは大変残念だ。ただこの馬の台頭が、統一グレード戦線で中央勢に立ち向かおうとする意欲を南関東勢が取り戻す契機になったと、私は考えている。
大井競馬11レース「第67回 大井記念」(古馬重賞・2000m)
帝王賞に向けた南関東勢のステップレースから、南関東実力ナンバー1決定戦へと昇華したのが2018年のこと。以来、その位置づけにふさわしい豪華メンバーによる名勝負が繰り広げられているが、今年もそれにふさわしいメンバーが集結した。そこで南関東ローカルの1戦ではあるが、今回は全頭解説を行うことにした。
<全頭解説>
(1)番 シュプレノン
デビューが3歳11月と遅かった生え抜きだが、2年後にはOP特別を制するまでに成長したステイヤー。初重賞となった昨年の金盃も4着と見せ場を作ったが、その後はOPではソコソコの競馬に止まる。大井では大きく崩れていないが、相手が厳しい印象だ。
(2)番 コパノジャッキー
昨年末に川崎で、また前走の大井でもOP特別を制したが、重賞ではこれまで連対経験がない。また主戦場はマイル前後で、唯一2000mを使った2020年8月のA2下でも1.3秒差の9着。相手より距離克服という、自身の課題に向き合う1戦だろう。
(3)番 ロードゴラッソ
中央時代に統一グレード2勝の実績馬が、前走ブリリアントCで復活の狼煙を上げた。中央時代から右回りの方が動きは良かったので、環境に慣れたことだけでなく、コース変わりもプラスだった。さらに上積みが見込める今回、一気に頂点を窺う舞台になる。
(4)番 ランリョウオー
骨折で東京ダービーを断念してしまったが、昨年の3歳世代ではトップクラスの実力馬。復帰後も前走準重賞を含め5戦3勝と力のある所を示しているが、今回は復帰後初の重賞出走。一気の相手強化に対応できるかがポイントになる。
(5)番 キタノオクトパス
中央準OPから転入後、4戦してオール連対中と結果を残しているが、近2走はランリョウオーに敗れている。しかし大井コースは中央時代、ジャパンダートダービー3着の実績がある舞台。コース変わりを味方にすれば、面白い存在になる。
(6)番 タイムフライヤー
中央からの転入初戦となったかしわ記念は、時計がかかる馬場に全く対応できず9着。その意味で近況速い時計が出ている大井コースに変わるのは悪くないか。ダート転向後はエルムS勝ちなどマイル前後を主戦場としてきたが、距離を克服すれば侮れないだろう。
9番人気ながら2着に来た昨年のブリリアントCなど、人気薄になって穴をあける一発屋タイプ。それでも中央時代、統一グレードで2着2回があるように、過去の実績でも見劣っていない。前走久々に1秒以内の競馬をしたことが、きっかけになっていれば・・・。
(8)番 ノンコノユメ
JPNサラブレッドランキングで、3歳時から7年連続で109以上の評価を得ている古豪。休み明けの前走ブリリアントCでも、最内を伸びて3着に入り、健在ぶりを印象付けた。ただ勝利からは3年近く見放されており、その手段が果たしてあるか。
(9)番 メイショウワザシ
中央OPからの転入初戦。中央時代は先行力を武器に統一グレードでも入着経験はあるが、踏ん張りが効くタイプではなく、大敗も多かった。何かを起こすには4角を先頭で回ることだろうが、初物尽くしでは簡単ではないと思う。
(10)番 アールスター
こちらも中央OPからの転入初戦だが、主戦場は芝で、JRAGⅢ勝ちのタイトルも。ダートは500万下の時代に3→2→2着の実績があるものの、それでここで戦えると評するのは厳しい。今後に向けた手応えを得られれば合格点ではないか。
(11)番 フィアットルクス
中央未勝利から転入後17戦14勝の勢いで参戦した昨年は、ミューチャリーから6馬身離された2着。当時は更なる可能性を抱かせたが、その後ひと息の競馬が続いているのは、当時の完敗を精神的に引きずっているのかも。このまま終わるとは思えないが。
(12)番 マースインディ
前走A2戦で波乱を演出したが、これは近況の不振だけでなく、1800mが守備範囲外と考えられていたことも大きい。実際主戦場はマイル以下で、2000mでは過去3戦全て3秒以上千切られた大敗。条件的には厳しいと言わざるを得ない。
(13)番 セイカメテオポリス
古馬相手になってから展開・相手不問で結果を出し続け、今や明け4歳世代のエース格。しかし最後追い込んできても、突き抜けるところまで行っていないのが、この馬の現在地であり課題。この舞台でその殻を破る走りができるだろうか。
(14)番 コマビショウ
中央OPから転入後、船橋で3回使われ全て入着。転入前は秒単位の敗戦が続いていたので、立て直されてはいるだろうが、ここは一気に相手が強化した。ただ中央時代は右回りに良績が集中しており、大井コースに一縷の望みがあるのも確かだ。
(15)番 ミューチャリー
昨年は豪快な向正面まくりで圧勝。そしてJBCクラシックで地方競馬の悲願を成し遂げた、名実ともに地方競馬のエース。昨年はかしわ記念から中1週だったが、今年はじっくり間隔を空けている。死角らしい死角は見当たらず、帝王賞につながる走りを期待したい。
(詳細な出走表は地方競馬全国協会のオフィシャルサイト等で確認してください)
1着 (4)番 ランリョウオー(2番人気)
2着 (8)番 ノンコノユメ(5番人気)
3着 (5)番 キタノオクトパス(8番人気)
世代上位の力を持つランリョウオーが、完全復活を告げたといえる勝利。復帰後初の重賞出走だったが、前2走で破っていたキタノオクトパスが3着なら、重賞ではなかったけれどレベルの高い戦いだったと評価しなければいけないと思う。
一方で連覇を目指したミューチャリーは、19キロ馬体を減らし、明らかに仕上げに誤算があった。レースも3角手前でムチが入り、最後はまさかのシンガリ負け。単なる敗戦で片づけられない1戦になった。
