「北海道スプリントカップ」戦評−特殊な馬場でも結果を残したラブバレットは、1年前からどう変わった
2018年 06月 14日
そのラブバレットの話からさせていただくが、ダート統一グレードを含む交流戦では、これまで時計の速い馬場で活躍する機会が多かった。それ故に門別コースは適性が高いと考えていたのだが、今回に限っては力を出せる馬場と感じずにレースを見ることになった。しかし最後の直線で先頭に立つまでの戦い振りや手応えは完璧で、あれで負けたことが不思議でならない。1週間じっくり考えて見えてきたのは、昨年のクラスターCで負けた時からの馬の変化だろう。
思い出したのは2着に入った昨年の兵庫ゴールドTだ。時計がかかる馬場で、しかも今までになかった中団から追い上げる競馬。当時は相手関係に恵まれた印象を持っていたが、あの1戦は条件や展開に注文がつかなくなる、変化の兆候だったのだろう。そこには7歳になった今も成長している事が窺えるが、そうなればあとは勝ち切るだけのパンチ力か。それをどうやって手に入れるかは、私にもわからないが。
一方で勝ったテーオーヘリオスは、外を回したラブバレットとは対照的に、内々で我慢する形。最後の直線ではラブバレットの内、コパノマイケルとの間にあった狭いすき間を抜けてきた勝負根性は見事だったが、クビ差という結果を考えればコース取りの利でひっくり返した勝利。騎乗した濱中俊騎手は“自分のミスで辛勝になった”と語ったそうだが、あの形以外で勝つことはできなかったと思っている。
それでもこのメンバーで勝てた事実は、ライバルたちに意識させる肩書であり、また使いたいレースに使っていける状況を作れたことが何より大きい。短距離戦線にまた1頭、気になる存在が台頭してきたのではないだろうか。
このレース4度目の出走となったスノードラゴンは、早目に動いて最後の直線でも一完歩ずつ前に迫ったが、惜しくも届かず3着止まり。ダートでは詰めの甘い競馬が続いていたが、今回はあと50mもあれば差し切れそうな勢いがあり、かなり惜しい競馬だった。これは五十嵐冬樹騎手が潜在能力を引き出したことに加え、時計のかかるダートに対して意外な適性を見せたため。もしかしたら新境地を開拓した1戦になったかもしれない。
前年覇者のニシケンモノノフは、行きっぷりが悪く、道中はスノードラゴンにも後れを取る始末。最後追い込んで4着と格好はつけたが、昨シーズンの状態にはないということだろう。ひと息入れることも考える時期かもしれない。
地元勢はカツゲキライデンの5着が最先着。ただしロスなく立ち回って流れ込んだだけで、これが目一杯とみる。むしろ11着に終わったが、ハイペースで逃げたサトノプリンシパルの方が内容は良く、速い時計の出る馬場ならもっと粘れていたのではないか。これだけ走れれば地元にこだわらず、統一グレードにも顔を見せてほしいものである。
(詳細なレース結果は地方競馬全国協会のオフィシャルサイト等で確認してください)
