「かきつばた記念」戦評−統一グレード初出走で戴冠したサクセスエナジーに広がる、大きな可能性
2018年 05月 07日
勝ったサクセスエナジーは54キロのハンデに恵まれたことはあるとしても、逃げるトウケイタイガーにプレッシャーを与え、尚且つ勝負所から自ら潰しに行く形。これだけでも強いと評することができたが、その上で迫る差し馬を最後まで凌いだのだから、感服するしかない。私自身、本命を打っておいて失礼だが、ここまで強いとは想像できなかった。
そして強いと思わせる証明が、1分25秒9という勝ちタイムにもある。直近10年に25秒台で勝ったのは、最強のフロントランナー・スマートファルコンに、2015年のJBCスプリント覇者コーリンベリー。セイクリムズンも統一GⅠ連対経験がある実力馬だった。それらに匹敵するタイムで走ったことで、群雄割拠が続く短距離路線に現れた新星として、大きな可能性を期待せずにはいられない。これから興味を持って見ていきたい存在が登場したことは、間違いないだろう。
3コーナーから大外を使って一気に2番手まで捲ったキングズガードは、前を行くサクセスエナジーまでは捲ることができず。最後は4分の3馬身差まで追いつめたが、黒船賞に続く2着に終わった。この馬に関しては何度も指摘しているように、必要以上に序盤に置かれるのが勝てない要因。今回も力がなければできない、見応えある走りを披露しているにもかかわらず、やはり勝てなかった。この戦いが続く限り、勝利は遠いと評すべきではないだろうか。
3着には終始内ラチ沿いを回って来たサンライズメジャーが流れ込んだ。初ダートということで全く評価されなかったが、厳しい流れに動じなかったことと、立ち回りの巧さで台頭した形。ただ最後伸びなかったのが経験値の差であるなら、この路線に専念することで新たな可能性を手にできるかもしれない。特にこの馬はまだ重賞タイトルがないので、今回より楽な斤量で戦える統一グレードの舞台もある。それが新境地を得るための後押しになるなら、厄介な存在になるかもしれない。
黒船賞でアッといわせたエイシンヴァラーは4着。前走同様に3番手から進めたが、当時は自然に取れた位置取りだったのに対し、今回は積極的に取りに行ったもの。その分序盤に力を使うことになり、最後の競り合いで一押しする脚が残っていなかった。それでも例年なら勝てるタイムで走っているし、課題と見ていた力の要る馬場に対応できたことは前向きに捉えたいところ。何より前走がフロックでないことを証明できたことは、大きかったと思っている。
地方勢では最も高い3番人気に支持されたブルドックボスは、中団のまま見せ場なく5着。当日の506キロという馬体重はクラスターCを制した時と同じで、この数字自体は良かったと考えていたが、内容を見ると状態を落としたことで減ったということなのだろう。考えれば前回の遠征が約1ヶ月前で、その間に地元で東京スプリントも使っている。このスケジュールが要因だとすれば、少し使い方を考えてほしいものである。
最後に9着に終わったカツゲキキトキトを取り上げるが、最初は中団につけていたにもかかわらず、最後の4コーナーでは最後方。これはついていけなかったのではなく、中長距離戦を戦うようにじっくり進めるうちに、位置取りを下げたように映った。もっと自分で上がっていけると思ったかもしれないが、地方馬同士なら積極的に押し上げようとしたはず。結局、これまでの統一グレードと同様に、弱気な戦いしかできなかった敗戦である。
(詳細なレース結果は地方競馬全国協会のオフィシャルサイト等で確認してください)
