ショートコラム リステッドレースは“準重賞”で良いのか
2018年 04月 16日
リステッドレースは「インターナショナル・カタロギング・スタンダーズ・ブック(国際セリ名簿基準書)」に記載された競走(注)であり、また序列としてはGⅢ格の下位に位置する。それ故に日本では“準重賞”と表記される機会もあり、今回の報道でも準重賞という言葉を用いた媒体があった。なおJRAはリリースの中で“準重賞”という言葉は用いていない。
他方、地方競馬では南関東などの一部主催者で、以前より準重賞と呼称する競走が存在する。ここでも今シーズン、岩手競馬が一部重賞競走を格下げする形で新設した準重賞のように“重賞に準ずる競走”が主流になりつつあるが、一方で“OP馬が出走できない高額賞金競走”である準重賞も存在する。というより20世紀の南関東で行われていた準重賞は、それが大半だった歴史も見逃せない。
つまり現在は、2つの意味に分けるべき競走を準重賞とまとめて呼んでいる状況にある。それが放置されたままリステッドレースが“準重賞”と定着した場合、混乱を生むことは想像に難くない。そこで準重賞という言葉にあった2つの意味を整理するために、リステッドレースを“グレードを持たない「重賞競走」”と定義したらどうだろうか。これは今後深く取り上げる機会があると思うが、リステッドレースの意味・意義を広く認知することにもつながるし、各重賞を適正に審査する環境整備にもなると考えている。
そして“準重賞”を定義・整理する役割は、地方競馬側にあると思っている。前段で示した定義に沿えば、先程触れた岩手競馬の準重賞競走は、重賞という看板を下ろさなくても良かったことになる。また17日に重賞として第1回が行われる大井競馬のブリリアントカップも、今年と同じ条件で実施していた段階から“南関東ローカルのリステッドレース”と表記できた訳だ。この機会を逃さずに準重賞の意味を整理し、混乱を生まない環境を作ることを望みたいものである。
(注)JRAの一部OP特別は、以前よりリステッドレースとして記載されている競走がある。なお東京大賞典を除く地方競馬主催のダート統一グレード競走は「リステッドリストリクテッド」という、性齢以外の制限がある(≒外国調教馬が出走できない)競走として記載されている。
