ショートコラム 東日本大震災から7年。競馬場全体の安全のために
2018年 03月 10日
明日3月11日で、東日本大震災の発生から7年を迎える。個人個人でみれば前を向いて歩きだしている人が増えているが、一方で家族や故郷、生活の基盤を失った苦しみからいまだ抜け出せない人もいる。その差が広がる中で、街の復興を進める課題がどんどん増えている印象を、遠くから見て感じている。それぞれの想いを感じながら、今年もこの日を迎えることになるだろう。
ところで、この震災で様々な影響を受けた競馬界のその後を見ると、多くの競馬場でスタンドの耐震補強や建て替えに取り組んだことがわかる。開催中に大規模地震が発生した際、ファンの安全を確保するのは当然のこと。と同時に競馬場は今、災害発生時に様々な役割を担うことも求められつつあると考えている。
実際の例として、阪神・淡路大震災の時にJRA阪神競馬場が近隣住民の避難場所として活用された。また競馬場ではないが、東日本大震災の際にいわき平競輪場を救援物資の搬入拠点として利用したケースもある。そういった防災拠点としての役割は、競馬場(を含む公営競技施設)がその場所にある意義を高めるためにも必要だし、地元からもその要求は高まるはず。特に広大な土地を有する競馬場は、それを活用した他にできない機能を担うことも考えられるだろう。
だがそれを考えた場合、スタンドの補強・建て替えで終わるのではなく、それを第一歩として別の課題を探すことも必要だろう。例えば震災発生時に競馬場が見舞われる可能性がある被害を想定できれば、その対策をシミュレーションできるし、競馬場で暮らす人馬の生命を守ることにもつながるはず。そういった議論を地域と共に積み重ね、また内容によっては広く競馬ファンにも公表し、競馬場をより安全な場所にすることにつなげてほしいと私は思っている。
