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ダービーシリーズ特集PART11 ダービーシリーズ各競走を振り返る 水沢・園田編

20日に行われた石川ダービーを最後に、シリーズ全8戦が終了した。これから積み残されていた戦評記事を順次掲載していくが、ここでは先週行われた第5戦の水沢と第6戦の園田を掲載し、このあと(正午前後を目処)第7戦の高知と最終戦の金沢を掲載します。

持ち味を最大限に活かし切った、キングジャガーのポテンシャルは−岩手ダービー ダイヤモンドカップ

戦前はキングジャガーサンエイリシャールの2強対決とされていたが、レースのポイントはキングジャガーが速いラップを踏む逃げを打てるかの1点だったといっていい。結果は好スタートを切ったキングジャガーが、持ち味である速いラップの逃げを打つことに成功。追走した各馬を1頭残らず振り切って、ダービー馬の称号を得ることになった。

レースはキングジャガーが気合いを付けてハナに立ち、それをハドソンホーネットがピッタリとマーク。サンエイリシャールは最初のホームストレッチで3番手に上がり、人気上位馬が先行集団を形成した。逃げるキングジャガーは、最初のホームストレッチで抑えようとするシーンもあったが、1200m通過が76.8秒なら遅いペースではない。そんな厳しい流れに後続勢はついていけなくなり、最後まで抵抗していたハドソンホーネットも4コーナーで振り切られた。結局後まで、キングジャガーの強さだけが目立った1戦になった。

ただし前走のやまびこ賞と違うのは、2番手で追走したハドソンホーネットが2着に踏ん張ったこと。ついてきた馬を潰す逃げを打つキングジャガーとしては、追走した馬が潰れなかったことで、これ以上相手が強くなっても通用するのかという疑問は生まれた。例えばその時に、差す競馬に転換できればスケールアップといえるが、今までの競馬を見ると簡単にいかないだろう。いずれ来る壁がどこなのか、その時にどう馬が変わって来るのかが、今後を見守る上でのポイントとなりそうだ。

一方、追走して2着に入ったハドソンホーネットをどう評価するか。南関東最終戦となった前走で2着に破ったオリジナルポイントが、東京ダービーの裏番組に当たるOP特別を制したように、楽な相手ばかりで結果を残したとはいえない。ただベンテンコゾウという大エースがいる岩手競馬のレベル印象では、移籍初戦で出走してきたことも含め、この程度で通用してほしくなかったのも確か。これから岩手所属として活動するのか、現時点で把握していないが、この馬の活躍がベンテンコゾウ以外の世代レベルを測る上でのポイントかもしれない。

2強の一角を占めていたサンエイリシャールは、2周目3コーナーから離されて、結果3着。前走やまびこ賞は一旦引いたことで差す脚を残したが、今回は序盤で位置取りを上げたことが、勝負所で苦しくなった原因ではないか。ただこの馬の場合、根本の部分で長い距離が良くないのかもしれない。マイル戦だったスプリングCでキングジャガーを差し切っていたように、マイル以下で切れ味を活かした方が、出世が見込めるように感じている

この他では、後方から長くいい脚を使って4着に追い込んできたダンストンレガーメが目立った程度。5着以下の馬は勝負所から全くついていけず、勝負に参加できなかった。盛岡開催だった時によく見られた、サバイバルマッチに近い内容だったといえるだろう。

ブレイヴコールの逃げ切りで垣間見えたものは−兵庫ダービー

マジックカーペットが直前の故障で回避し、一転大混戦となったレース。これが激しい展開の呼び水となるかもと感じていたが、始まってみるとブレイヴコールスローペースの逃げに持ち込む展開。この流れに後方勢はまくりで対抗するが、ブレイヴコールはペースを上げて、まくらせずに4コーナーまで先頭を守った。最後の直線ではスリーピーアイが迫るが、これもアタマ差振り切って、ブレイヴコールが王座に座ることになった。

勝ったブレイヴコールは、スローな逃げに持ち込んでから、後方勢のまくりに何度もあっていた。しかしまくって来た馬が来ると、ペースを上げたり後続を引き離したりと、変幻自在の立ち回り。こんな動きが出来たのは、百戦錬磨の川原正一騎手を鞍上に迎えたことが大きかった。今までもハナを奪えばしぶといレースを見せていたが、これに鞍上の老獪さが加わったことが、勝利を手にした1番の要因といえるだろう。

逆に1番人気に推されながら3着に終わったジンバイッタイは、逆風にさらされた1戦になった。マジックカーペットの2着となった前走は、その動きに合わせれば良かったが、今度は自分から動く必要が。しかも自身より早くまくりを打つ馬がいたことで“まくり合戦”になり、結果的に動くタイミングがずれてしまった。真っ先にまくっていれば違った結果になったかもしれないが、一方で自分から動いて勝てるだけの地力はなかったともいえる。現状では他力本願型だったと考えたいところだ。

ここでブレイヴコールに話を戻すが、前走はマジックカーペットに早々に交わされる形になって崩れてしまったもの。その相手が不在となった今回は、持ち味を発揮しやすい状況だったのは確かだし、そもそも重賞でマジックカーペットの2着が2回ある実績馬。その意味では順当勝ちというべきだろうが、勝ちタイムは園田1870mで行われたものとしては最も遅い2分4秒4マジックカーペットが不在となって垣間見えたのは、それ以外の3歳馬のレベルが相当悲惨な状態にあることだったかもしれない。

この他の馬に話を移すと、2着のスリーピーアイは離れた最後方から最後に動き、4コーナーでジンバイッタイまでまくり切った。よく“まくり合戦”になると、最初か最後に動いた馬に流れが向くといわれるが、それが嵌った形である。最後の直線も一完歩ずつ先頭に迫ったが、アタマ差届かなかったのは地力の差。これ以上を望むのは難しいほど、完璧なレースをした上での敗戦だった。

期待したナチュラリーは、出遅れて包まれる競馬になったといっても、前走兵庫チャンピオンシップで見せたような行きっぷりは見られず。向正面から動いた際も、前との差は詰まらず、結果7着に終わった。今回の勝ちタイムは兵庫チャンピオンシップで自身がマークした時計より遅く、動けなかったのはその反動があったかもしれない。もっともこれまで1勝しか挙げていない馬に、兵庫チャンピオンシップだけで買い被り過ぎていたのも確かだろうが。

最後に残念な話をしなければいけないが、4着に入ったイオタイザンがゴール直前で左後肢に故障を発症し、入線後に下馬。残念ながら予後不良となってしまった。昨年の兵庫ダービーで1番人気だったマイタイザンの半弟として、デビュー当時から注目を集めていた存在だったが、こういう形でその未来が閉ざされるのはつらい。常にアクシデントと隣り合わせの世界だが、一生に一度の晴れ舞台は、こういったことがなくレースを終えることを願いたいものである。

(詳細なレース結果は地方競馬全国協会のオフィシャルサイト等で確認してください)

by hirota-nobuki | 2017-06-24 00:00 | Comments(0)

地方競馬・ダート競馬の発展を願ってやまない博田伸樹(ヒロタ・ノブキ)です。この場を通じて地方競馬・ダート競馬により興味を持つ人が1人でも増えてほしいと願っています。 twitter:@HirotaNobuki


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