ライバル不在の中で達成された、史上7例目となるクリソライトの同一ダート統一グレード3連覇−「ダイオライト記念」戦評
2017年 03月 22日
比較的外枠勢のスタートが良かったが、その中から真っ先に抜け出したマイネルトゥランが逃げの手に出て、最初の3コーナーまでに5馬身ほどのリードを奪う。2番手にはマイネルバイカが付け、やや出負け気味だったクリソライトは二の脚がついて3番手。その内からクレナディアーズが並びかけて、3コーナーを通過する。その後マイネルトゥランがペースを落とすと、中央勢4頭は集団となり、2番手にはクリソライトが上昇。地方勢はこれを追走せず、最初のゴール板付近では中央勢4頭が後続を10馬身ほど離した。5番手以下はユーロビートを先頭とする4頭の第2グループが形成され、そこから更に5馬身ほど離れた位置からウマノジョーが追走。クラージュドールはさらに5馬身ほど置かれていた。
2周目の向正面に入ると、クリソライトがマイネルトゥランにプレッシャーをかけ始める。ここでマイネルバイカは鞍上の手綱が激しく動き出し、クレナディアーズとともに離され始める。これにユーロビートをはじめとする後方勢が徐々に差を詰めて行くが、中でもクラージュドールは早くもスパートを開始して、ユーロビートを射程圏に捉えるところまで上昇していた。
そして2周目3コーナー。クリソライトは余裕十分の手応えでマイネルトゥランを交わすと、一気に差を広げていく。これを追いかけたのは、5番手にいて3コーナーから動き始めたユーロビートのみ。4コーナー手前で2番手に上昇して前を追うが、最後の直線に入っても2頭の差は全く詰まらない。そのまま2着ユーロビートに6馬身差をつけてクリソライトが押し切り、ダート統一グレードとしては史上7例目(注)となる、同一統一グレード3連覇の偉業を成し遂げた。3着争いはグレナディアーズらが粘るところ、最後の直線まで我慢したウマノジョーが残り100m付近で大外からまとめて交わし、3着に入っている。
<各馬の戦評>
3連覇を達成したクリソライトは、昨年よりも楽な組み合わせで、力の違いを見せつける形になった。レースの組み立てとしては先行勢にケンカを売り、まとめて潰した一昨年に近いもの。2周目3コーナーで先頭に立ったところまで一緒で、当時のビデオテープを見ているような走りだった。勝ちタイムの2分37秒8は、この3年間で最も遅いが、過去2年が不良馬場(今年は重馬場)。船橋コースが時計のかかる状態になっていることをあり、これを衰えかのように扱うのは早計だろう。
ただし、統一GⅠ級で結果を期待できる走りだったかは別問題。関係者も今後の目標として昨年制したコリアCの連覇に加え、来年このレースで4連覇を目指したいと語ったように、厳しいという認識を持っているのかも知れない。それを考えれば、この馬を脅かす存在が早く出てきてほしいのが正直なところだが。
2着に入ったユーロビートは、道中離された5番手とはいえ、統一グレードとしては前々で競馬ができた。それが昨年の3着から1つ着順を上げた要因に映るが、実はクリソライトとの時計差は昨年よりも開いている。つまり中央から参戦したメンバーの質が下がったことで、2着に入ったもの。本当にパワーアップしたと認めるには、先行集団に加わってこの結果を出したいところ。昨年このレースの際に指摘した、統一GⅢ級という評価を変える走りとは言えなかった。
このレースで最大の収穫は、3着に入ったウマノジョーだろう。直線勝負に徹し、最後まで末脚を温存していたことがこの結果につながったが、それでも4着以下を4馬身離したことは評価できるもの。前走の金盃でもしぶとく伸びて来たように、生粋のステイヤーと感じさせる走りを見せたと思う。振り返れば岩手でデビューした当時から、将来性はこの馬と評されていたので、順調に成長しているのは確か。この末脚で2000m前後の統一グレードでも勝負できれば、可能性が広がって来るだろう。
少し期待外れだったのは、5着のクラージュドール。2周目向正面から長く脚を使ったものの、最後の直線で伸び切れず。序盤の位置取りが後ろ過ぎたこともあるが、大出遅れを挽回して3着に入った金盃の疲労が残っていたのかも知れない。あと、昨年のこのレースでは好位を取って粘る競馬をしていたことを考えると、南関東ローカルを含めて後方からの競馬が続いているのは気になる。位置取りが変われば違った面が見られると思うのだが。
敗れた中央勢で一番内容があったのは、7着に終わったが逃げたマイネルトゥラン。近走の勢いそのままに積極的な競馬を見せたことが、今後につながればと思うが、今回はマークされた相手が悪すぎた。あと4着のグレナディアーズは、鞍上のミルコ・デムーロ騎手が懸命に持たせたという内容で、馬の力ではない。6着だったマイネルバイカは、現状では楽な逃げを打てないと厳しいだろう。
(注)ダート統一グレードにおける、過去の同一競走3連覇
アドマイヤドン(JBCクラシック・2002~2004)
ブルーコンコルド(マイルチャンピオンシップ南部杯・2006~2008)
ヴァーミリアン(JBCクラシック・2007~2009)
ラヴェリータ(スパーキングレディーカップ・2009~2011)
セイクリムズン(黒船賞・2012~2014)
ホッコータルマエ(川崎記念・2014~2016)
(詳細なレース結果は地方競馬全国協会のオフィシャルサイト等で確認してください)
