人気ブログランキング | 話題のタグを見る

2016年12月14日のダート統一グレード 川崎「全日本2歳優駿」

本日行われる全日本2歳優駿は、今年で67回目。これは地方競馬に現存する競走で、最も回次が多い重賞競走(注)である。実は川崎競馬は日本で初めて重賞体系を整備した主催者とされており、全日本2歳優駿はその象徴的な競走とも言われている。厳密に言えば重賞競走という概念を持ち込み、競走条件・体系を可視化したと評するのが正しいのだろうが、これによって関係者やファンに各競走の意義や意味が理解されやすくなり、結果として競馬界の発展にもつながったと考えている。ただし国際化が進んだ現代の競馬は、その競走の理念だけで評価してはいけない時代になっている。それはレースを造ることが尊ばれる時代ではなく、育てることが大事な時代に変わったことを意味している。

(注)回次だけなら2006年に廃止された名古屋杯(愛知県競馬・アラブ系の競走)が90回実施されているが、この競走は年度2回実施されていたため、あくまで例外である。

川崎競馬11レース「第67回 全日本2歳優駿」(JpnⅠ)

◎(本命) (7)番 ヒガシウィルウィン
○(対抗) (6)番 ストーンリバー
▲(単穴) (9)番 ネコワールド
☆(特注) (5)番 バリスコア
△(連下) (14)番 シゲルコング、(11)番 フライングショット

<自信度> ◎単勝=D  ◎○ワイド=D  3連複BOX=E


出走メンバーを地区別に分ければ、中央5頭、南関東3頭に対し、ホッカイドウ競馬から大挙6頭が参戦。しかも南関東所属の3頭のうち、2頭はこの競走が転入初戦となっている。南関東勢の主力勢が参戦しないことは統一グレード化以前からの傾向だが、ここまで極端な例は記憶になく、まるで北海道2歳優駿をもう1回やるような感覚にさせられる組み合わせになった。

しかも出走してくれば大本命間違いなしだった、北海道2歳優駿の覇者エピカリスがエントリーせず、一転して本命不在の大混戦となった。そこで今回は、このブロマガでは初めてとなる全頭解説を行った上で、結論を紹介する形とした。

<全頭解説>
(1)番 リエノテソーロ

初ダートとなったエーデルワイス賞を制し、デビュー3連勝を達成。当時2着のアップトゥユーがローレル賞を圧勝したことから、牝馬同士なら抜けた存在と言えるが、牡馬相手となってどうなのか。距離延長も未知数だ。

(2)番 ヘイジュード
南部駒賞2着からの参戦となるが、この時勝ったベンテンコゾウがここに出走したとして、本命を考えたくなる存在とは言えないだろう。それに完敗したことを考えれば、ここでは厳しい印象がある。

(3)番 キャッスルクラウン
この時期の2歳馬としては珍しい直線強襲型だが、前走平和賞2着は完全に漁夫の利。同じように末脚が活きる流れを待ちたいところだが、このメンバー相手にそれを期待するのは困難だろう。

(4)番 ローズジュレップ
兵庫ジュニアGPは見事だったが、川原正一騎手の好判断が導いた要素が強い。地元で唯一崩れたのは1700m戦なので、前走から距離が1ハロン伸びたマイル戦に対応できるかがカギとなる。

(5)番 バリスコア
一気の相手強化に加え、初めて差す競馬となりながら3着に入った兵庫ジュニアGPは、非常に中身が濃い。こちらも初距離など課題は多いが、克服できればまとめてまで考えたくなる魅力を秘めている。

(6)番 ストーンリバー
北海道2歳優駿4着は力勝負で競り負けた格好だが、門別の内回りで3戦全勝という点からも、器用さで勝負するタイプ。そうなると鎌倉記念制覇で経験していることも含め、川崎コースに変わる今回、当時の差はアテにならないだろう。

(7)番 ヒガシウィルウィン
北海道2歳優駿2着は、北海道デビュー馬ナンバー1の座を手にした1戦だった。1戦ごとに馬体を増やすにつれて力強さを増していることがレース内容にもつながっているが、長距離輸送で馬体を維持できるかがポイントになるかも。

(8)番 キャンドルグラス
近2走はホッカイドウ競馬所属として南関東の重賞に参戦。鎌倉記念におけるストーンリバーとの0.5秒差は一定の評価をしたいが、これを逆転できるイメージまでは抱けない。混戦になった時の入着級か。

(9)番 ネコワールド
前走兵庫ジュニアGPはローズジュレップのマークが厳しかったことに加え、逃げ馬苦戦の馬場傾向にも泣かされた。何が何でも行きたい馬が見当たらないだけに、スンナリとハナを奪えば不気味な存在になりそうだ。

(10)番 スウィフトハート
前走の北海道2歳優駿3着を含め、デビュー以来3着を外していないが、ヒガシウィルウィン、ストーンリバーともに2戦2敗の対戦成績。これらが突き抜ける形になれば、一緒についてくることができそうだが。

(11)番 フライングショット
初勝利まで時間がかかったが、前走サッポロクラシックCではローズジュレップを差し切っている。この馬も1戦ごとに馬体を増やしているように成長力が感じられる馬で、一発があればこの馬か。

(12)番 メイソンジュニア
前走芝でOP特別を勝ったものの、ここは初ダート。2歳戦なので初ダートというだけでオミットすべきではないとしても、勝負になる要素はほとんどない。逆に言えば、これが来るようなら何を連れてくるかわからない。

(13)番 ハングリーベン
安定した取り口を見せている馬だが、兵庫ジュニアGP2着は結果とは裏腹に、底が浅い可能性を感じた。そうなるとポイントは“まだ”なのか“もう”なのかを判断すること。この馬の評価と結果が合わないと、的中には結びつかないだろう。

(14)番 シゲルコング
2勝した内容より、負けた時の相手関係をどう評価するか。エピカリスと対戦した前々走が1.4秒差なので、この時計差を額面通りに捉えれば、北海道2歳優駿組と互角以上。その一方で、ハングリーベンに未勝利戦で完敗していることも注視すべきだ。

<最終結論>
オール連対の安定味を考えれば、一番崩れない存在と見ているのがヒガシウィルウィン。北海道2歳優駿でマークした1800m1分57秒0は、2着とはいえ当時の馬場状態を考えれば破格のタイムだ。1戦ごとに走りに迫力が増しており、エピカリス不在なら突き抜ける底力は持っている。当日の馬体重は注意してほしいが、不安要素があるとすればそこだけ。北海道ナンバー1として、威厳を示す走りを披露してくれると見ている。

相手筆頭は、川崎コース替わりは間違いなくプラスと見ているストーンリバーで、ヒガシウィルウィンが初コースに戸惑うようなら逆転も。単穴としたネコワールドは、前走は敗因がハッキリしているだけに、単騎逃げもありそうな今回は再評価が必要だ。

一発なら兵庫ジュニアGPが好内容だったバリスコアで、1・2着馬よりこちらの方が魅力を感じている。以下は別路線組で、中央500万条件を勝ったばかりのシゲルコングに、サッポロクラシックCを制したフライングショットを取り上げた。エーデルワイス賞を勝ったリエノテソーロは、勝つか惨敗かと見ているが、人気になるなら切る手。兵庫ジュニアGPを制したローズジュレップも、前走以上を望むのは厳しいと見て、印を回し切れなかった。

(出走取り消しや当日の馬場状況等による予想変更は行わないのでご了承ください)
(詳細な出走表は地方競馬全国協会のオフィシャルサイト等で確認してください)

おことわり・戦評記事の掲載は、15日に行われる名古屋グランプリと併せ、週明けに掲載予定です。

明日以降の予定
12月15日 名古屋グランプリ(名古屋・統一グレード)
12月17日 白嶺賞(水沢)
Commented by 博田伸樹 at 2016-12-14 23:11
全日本2歳優駿結果

1着 − (1)番 リエノテソーロ(1番人気)
2着 △ (14)番 シゲルコング(2番人気)
3着 − (4)番 ローズジュレップ(3番人気)
4着 ◎ (7)番 ヒガシウィルウィン(8番人気)

リエノテソーロは割り切ってノーマークとしたので、これ自体は仕方がない。しかしこれほどの大混戦なのに、単勝上位3頭の人気順で決まった上に外れると、何だかなぁと思うのは確かです。戦評は来週までお待ちください。

by hirota-nobuki | 2016-12-13 22:00 | Comments(1)

地方競馬・ダート競馬の発展を願ってやまない博田伸樹(ヒロタ・ノブキ)です。この場を通じて地方競馬・ダート競馬により興味を持つ人が1人でも増えてほしいと願っています。 twitter:@HirotaNobuki


by hirota-nobuki