直線一気の豪脚披露! レーザーバレット待望の統一グレードタイトル−「オーバルスプリント」戦評
2015年 09月 26日
<レース概況>
好スタートを決めたルベーゼドランジェが枠順も利してそのまま逃げる体制に入る。これを見てサウンドガガは無理に競りかけようとせず、2番手で折り合う形を選択。リアライズリンクスは押して前を取ろうとするも、2頭ほどダッシュが効かず、3番手まで。1番人気のタガノトネールはその外につけ、その後位からジャジャウマナラシ。レーザーバレットは中団の位置で1コーナーに入っていった。
向正面に入ると、早くもリアライズリンクスの手綱が激しく動いて後退。それ以外の各馬は序列が変わらずに進むが、ルベーゼドランジェの逃げ脚は快調そのもの。後続に2馬身前後の差をつけながら3コーナー過ぎで鞍上のゴーサインも出る。それを見て2番手にいたサウンドガガも追い出しを開始し、後続はその外からタガノトネール、そして中団にいたレーザーバレットも前を射程圏に捉える。また好位のインでじっとしていたジャジャウマナラシも、コーナーワークを利してチャンスを伺う位置で4コーナーを迎えた。
最後の直線に入ってからも粘るルベーゼドランジェに対し、サウンドガガ、タガノトネールは伸びあぐねる。それを尻目にタガノトネールの外に進路を取ったレーザーバレットが、ここからエンジン全開。残り100mを切ったところで前をまとめて交わすと、その勢いで2着に1馬身半の差をつけてゴールイン。待望となる統一グレードタイトルを獲得した。2着にはルベーゼドランジェが粘り通し、1番人気のタガノトネールは3着に終わっている。
<各馬の戦評>
ルベーゼドランジェが刻んだペースは前半4ハロンが48.3秒。スローペースと言えないまでも、前が止まるような流れではなかっただけに、中団から直線一気に突き抜けたレーザーバレットの強さが目立った。前走のサマーチャンピオンは太め残りで切れ味にシャープさがなかったが、4キロとはいえ絞れてきた今回は、力を出せる状態に。先行馬が揃っていたことに加え、タガノトネールとの斤量の関係が逆転していたことも好結果の呼び水となったが、最後の直線でタガノトネールの外に出したのは、余程手応えが良かったから。ここは完勝と評して良いだろう。
前々走のかきつばた記念から統一グレード戦線に登場してきた中で、その末脚の破壊力故に小回りコースに対応できるのかを課題とする声もあったが、一連の走りを見れば今後も気にすることはないだろう。とはいえ、広いコースの方が良いのではないか言う想いがあるのは事実で、今年は大井で行われるJBCスプリントの出走枠に飛び込んで来るようなら、警戒が必要な存在になりそうだ。
2着に粘ったルベーゼドランジェは、内枠から好スタートを決め、他馬に競りかけられることなく単騎逃げを打てたことで、最後まで自分のリズムで走れたことが好走の要因だ。前走のクラスターCはスタートで後手を踏み、沈んだ1戦だったが、考えてみれば今回のメンバーは当時よりも楽。先行馬が揃っていたのでなかなか想定できなかったが、自分のレースに持ち込めればチャンスはあったという事を証明した走りだった。
とはいえ最後まで押し切れなかったのは、距離が1ハロン長かったという事と、絶対能力の部分で若干足りないからではないか。上手く行きすぎたという印象が強い今回の結果だけに、今回だけで評価を引き上げるのは危険かもしれない。
1番人気になりながら3着に終わったタガノトネールは、前走のサマーチャンピオンよりも若干前の位置取りだったことがラストの切れに影響したかもしれないが、一番の原因は外枠を引いたこと。3番手グループの外という位置取りになったことで内に入れるチャンスがなく、勝負所で外から進出する形を強いられてしまった。浦和コースは余程勢いが良くないと、外から追い上げた馬は最後に伸びあぐねてしまいがちだが、ちょうどそんな形になった1戦。今回の敗戦はやむを得ず、次走以降の巻き返しを期待したいところだ。
4着のサウンドガガは、初コースを気にしていたという関係者の声はあったが、それがハナを奪いに行こうとしなかったことと関係しているとは思えない。枠順の差も逃げない作戦を取る上で関係していたかもしれないが、力を出し切ったと言える敗戦ではなかった。現状では結果はどうあれ、逃げる競馬でこその馬ではないだろうか。
地方馬の最先着は5着のトーセンジャガーだが、勝負所で内を回って距離を稼いだ分が大きく、内容では6着だったジャジャウマナラシの方が上と言える。1番枠から内ラチピッタリを回り、4コーナーではあわやの所まで追い上げてきたのは初騎乗だった藤江渉騎手の巧騎乗。そこから伸びなかったのは相手が強かったこともあるが、15キロ増(489キロ)の馬体も影響していたか。多くの遠征競馬を経験していながら、これまで1戦を除いて470キロ台を保っていた馬なので、いくら3歳馬でも成長分とは言えないのではないか。馬体が絞れた時に改めて見てみたいと思う。
一方、地元の期待を集めたリアライズリンクスは、最終的には8着に終わった。前走アフター5スター賞で減らした馬体は今回戻してきたが、早々に失速したシーンを見ると、中身が伴っていなかったか。ただし、その割には勝ち馬から1.1秒差に止まっており、意外と粘れていたとも言える。これが状態面なのか、他に理由があるのかは現時点で判断できないが、状態面であれば少し時間がかかるかもしれない。
(詳細なレース結果は地方競馬全国協会のオフィシャルサイト等で確認してください)
